9月16日、ロバート・レッドフォードが89歳で亡くなりました。
ハリウッドを代表する典型的美男俳優。
若き日の美しい彼の姿はスクリーンに映えました。
が、よくよく思い起こしてみると、俳優としては損をした印象があります。
「追憶」ではバーブラ・ストライサンドの方が目立っていました。
「大統領の陰謀」ではダスティン・ホフマンが目立っていました。
ポール・ニューマンとの共演作2本でもニューマンが目立っていたのです。
「明日に向かって撃て!」は大スターのニューマンと新進気鋭の若手レッドフォード。
ニューマンが目立つのは仕方がありません。
「スティング」は、レッドフォード演ずるフッカーの成長物語。
トップクレジットはニューマンですが、レッドフォードが目立つはず・・・
でも、ニューマンが目立ってしまい、悪役のロバート・ショウも目立ってしまいました。
フッカーは印象がやや薄い役になってしまったのです。
「愛と哀しみの果て」でもメリル・ストリープが主演です。
美男過ぎて損をしたような印象が強いレッドフォード。
この夕陽をみて、彼の若い頃の主演映画「夕陽に向かって走れ!」を思い出しました。
でも、この作品もロバート・ブレイクが目立っている内容でした。
美男俳優の難しさを感じさせるレッドフォード。
そういう彼が美男ぶりを存分に発揮したのは「華麗なるギャツビー」。
これは素晴らしかった!
ほかにも「ブルベイカー」のような社会派作品、
コメディ色が強い「ホットロック」。
いずれもレッドフォードが俳優としての実力をみせたように思います。
改めてレッドフォード作品を見直してみたい。
そう思わせるだけの俳優さんでした。
映画監督として、また後進の育成者としても素晴らしい実績を残した彼。
映画俳優としても、もっと高く評価されていいような気がします。