「麒麟が来る」の制作途中で沢尻エリカさんが薬物問題で降板。
その結果、沢尻さんに代って濃姫を演じたのは川口春奈さんでした。
沢尻さん降板のニュースについて、あるネットコミュニティで発言したことがあります。
「リリーフできるのは若手なら川口春奈さんか桜庭みなみさん」
私のこの発言は大いに非難されました。
川口春奈さんは「低視聴率女優」だから「あり得ない」というのです。
桜庭さんに関しては、そこまで非難はありませんでした。
私がこの2人をすぐに思い浮かべたのは、演技力を基準に考えたからです。
それに、二人とも目に力があります。
特に桜庭さんについては、時代劇をしっかりこなしていました。
★ 初の時代劇ながらしっかりした演技をみせた桜庭みなみさん
この「最後の忠臣蔵」は作品としては・・・
登場人物は真剣なのに、みる側は笑ってしまうような演出がありました。
桜庭さんがよかっただけに、作品のクォリティが惜しまれます。
一方の川口さんを時代劇でみたことはありませんでした。
けれども、視線の動かし方や微妙な口元の演技はベテラン女優顔負けのうまさ。
★ 私が川口さんの演技に強い感銘を受けた「受験のシンデレラ」
なのに私の案は非難を受けました。
なぜか?
それは、川口さんの主演ドラマが視聴率を稼げなかったーこの一点によるラベリングです。
「低視聴率女優」だからダメというのです。
演技力云々ではありません。単に、出演したドラマが当たらなかっただけ。
「だからダメ」
当時の川口さんの評価はこういう感じでした。
ネットの評価=真の評価のような錯覚に陥っている人が多いのは非常に面白いと思います。
さて、川口さんの濃姫は大好評で、川口さんは人気女優という評価を得ました。
過去と比べると180度の転換です。
尤も、「麒麟が来る」はドラマそのもののつくりがイマイチでした。
川口さんを起用するのはもったいないくらいの低いクォリティだったと思います。
まあ、今の大河ドラマは概ねこのレベルなのですが。
ただ、結果として川口さんの人気が大いに高まり、実力に見合うようになった。
この点は喜ばしいと思います。
それにしても役者さんは大変です。
良い作品に出演し、素晴らしい演技を披露してもウケなければ✕。
つまらない作品でも世間的に人気が高まれば〇。
表層的な演出が横行し、漫画の一場面の再現のような画面作りが普通になっています。
その中で真の実力をみせるチャンスは意外に少ないのではないでしょうか。
我々司法書士も案外そういう感じかもしれません。
雑でいい加減でもパフォーマンスがうまければ〇。
地味だけど丁寧な仕事をしても、みせ方が下手だと✕。
ありそうな・・・