ある会社から電話がかかってきました。
「高橋様の御携帯でしょうか?」
「先日お送りさせていただいた書類ですが、御到着しましたでしょうか?」
「5月までにご記入の上、御返信をお願いいたします」
なかなか御丁寧ではありませんか。
私はもしかして日本語能力のテストをされているのかと思いました。
「携帯電話を御携帯というのは日本語としてどうなんでしょうね?」
「御到着というのは書類に対する敬意でしょうか?」
「『お送り』とは、つまりはあなたの送るという行為を敬っているのですか?」
「ご記入もご返信もいたしますが、そこまで敬意を払われると気持ち悪いですよ」
とビシビシ指摘・・・したりはしませんでした。
それにしても、最近の過剰な敬語風の言葉は気持ち悪くなります。
日頃、私はほとんどの支払にクレジットカードを使っています。
「御一括でよろしいでしょうか?」
「御一括?なんじゃ?そのヘンな丁寧語は!」
と御一喝したくなりますが、我慢しています。
国会答弁にしても、
「ご検討させていただく」
とか
「丁寧な説明を引き続きさせていただき、国民の皆様のご理解をいただくよう努力を重ねます」
「国民の皆様のご意見をしっかりと伺わせていただきたいと存じます」
というような発言が多くなっています。
理髪店で音声だけ聴いたテレビ番組でタレントさんが、
「お伺いする」
と発言していました。それも2つの番組で(1つはNHKの番組)。
以前にとりあげた
「御代表」
もそうで、こういう馬鹿丁寧で変な言葉遣いには呆れてしまいます。
「御携帯」のように「御」をつければ、相手を尊重したように装うことができる。
話し手はそう考えているとしか思えません。
ちなみに、某士業の会が合格者向けに開催したマナー研修の講師も変な敬語を教えていました。
「ダメだ!こりゃ!」
と受講者の1人は感じたのでした。
★ こういう本まで出版されるほどの状況なのです。