一時期ですが、「古典はオワコン」なるテーマが論じられました。
某巨大掲示板の創設者がツイッターで主張した内容は以下のとおり。
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古文・漢文は、センター試験(註:2021年度から「大学入学共通テスト」)以降、
全く使わない人が多数なので、「お金の貯め方」「生活保護、失業保険等の社会保障の取り方」
「宗教」「PCスキル」の教育と入れ替えたほうが良い派です。
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この程度のツイートが大きな論争を巻き起こす我が国は平和だなぁ~と私は笑ってしまいました。
あまりにも無意味なツイートだからです。
古文・漢文は高校卒業レベルの人が普通に持つべき教養として学ぶ。
高校という基礎学習段階において我が国の固有の文化を学ぶのは当たり前です。
この程度の常識的なことを知らない人のツイートを大々的にとりあげたマスメディアもヘンです。
その結果として、古典に興味を持ち、それを深く学ぶ契機になるかもしれません。
では、「お金の貯め方」以下の内容は?
これは「学ぶ」ことですか?
必要に応じて調べれば済む話です。
「PCスキル」にしても、個々人にとっての必要性で知るべき程度が決まります。
デジタル社会では必須だからーこういう主張もあるかもしれません。
しかし、パソコンの使い方など「学び」の範疇には入りません。
考えて自分なりの答えを出す世界ではないのです。
なぜ、上記のようなつまらないツイートが話題になったのか?
不思議で仕方がありません。
中には、このツイートをとりあげて、
「難関大学では入試に古典が出題される」
という事実を指摘して、ツイートが正しいとはいえないように論じているメディアもありました。
あまりにもズレた反論の仕方に、これまた呆れかえってしまいました。
古典を読んだりした経験や教養がないからこの次元の論争をするのではないか?
★ 再来年の大河は紫式部が主人公 演ずるのは吉高由里子さんです。
最近、妻が「枕草子」を読み始めています。
当時の自然に対する日本人の感覚を知りたくなったそうです。
普段はあまり読書をしない人ですが、やるときはやるもんだ、と感心してしまいました。
日頃、園芸を熱心にやっているせいで、そういう感覚を知りたくなったみたいです。
★文庫版(角川ソフィア文庫)で現代語訳付きの「枕草子」を読むことができます。