ネット上で面白い記事をみつけました。
「ダメな弁護士・司法書士ほど使っている『相続に強い』とは?」
内容には「なるほど」とうなづけるものがありました。
たしかに①専門的な知識はあって当然だし、
②調べ方は知っているのが普通だからこその専門職です。
この程度で「自分は相続に強い!」と名乗れば馬鹿にされそうです。
肝心なのは、記事にあるように
③「答えがない問題についての問題解決能力がある」ことでしょう。
さて、これはどういうことか?
「答えがない問題」から考えます。
これは、判例や先例がないようなケースを指すのが我々の世界です。
そうすると、まず、①のような専門知識があることは大前提になります。
答えがあるのかないのかの区別すらできないようでは話にならないので。
当然ながら②の調査能力が高くなければ、答えがない問題に答えを出せません。
何をどう調べるか?
これはどういう学びをしてきたかがモノをいうでしょう。
とりあえず「実務書」という人は・・・残念な印象です。
実務書は一般的な事例がとりあげられており、レアなケースにあまり触れていません。
日常的な実務について述べられる書物である以上、これは当然。
そうすると、自らが経験していたり、或いは実務書に載っているケースを使って・・・
そうなのです。「考える力」がなければ、答えがない問題を解くことはできません。
数学の難問に似ています。
まずは正解した経験に頼ります。
過去に似た問題を解いていれば、それが参考になります。
数学は暗記科目といわれる所以です。
それがなければ、参考書の類題を探すでしょう。
そのままあてはめて解答できればいいのですが、無理。
そうすると、そこからは自分の頭に頼ることになります。
その頭をどう作るか?
役立つのは基本的な書物を考えながら読んだ経験です。
「考えながら」が重要で、その過程で解決能力は身についているはずです。
その段階で調査により得られた情報(知識)と自分自身が持つ知識(情報)をどう使うか。
基本的な書物を読んでいれば、それらを上手に使って論理的に答えを導くことができます。
つまり、基本的な書物をしっかり読むことは、この仕事には欠かせないのです。
結局、当ブログでは何度も述べている点にたどりつきました。
受験生時代に使ったアンチョコ本や実務書だけでは無理です。
尤も、コピペ先生をやるなら別でしょうが。
「●●に強い」・・・その裏付けが書いてある宣伝はマル。
特に根拠が書かれていなければバツ。
このように単純には割り切れませんが、一応の目安になりそうです。
上記の記事は「キャッチ―な言葉に惑わされない」ように注意を喚起しています。
まったくそのとおりです。
仄聞するに、特定の分野をオールマイティで夢のようなものであるように宣伝する例があるとか。
これにひっかかると痛い目に遭う可能性は多分にあります。
★ 右は、民訴関連で調べたいことがあると、真っ先に手にとる本です。
そして、左の本は、旧法時代の内容ながら、今も考え方を教えてくれ頼りになります。