たまにNHK教育で放送される「ETV特集」を視聴します。
「問われる戦時性暴力」のようなトンデモ作品が放送されることもあり、評価が難しい番組です。
でも、先日の「誰のための司法か~團藤重光 最高裁・事件ノート」は面白かった。
わざわざ再放送まで録画してみ直しました。
ある上告審についての裏話です。
原審が覆るまでの過程において、小法廷での判決予定が変更になり、
まさかの大法廷回付という流れが描かれ、非常に興味深い内容でした。
法務省や前の最高裁判事による圧力的な動きがあったことまで暴かれました。
客観的にみれば、團藤博士がノートに書き遺すべきだったかは疑問です。
真実については墓場まで持っていくべきだったのではないか。
とはいえ、非常に貴重な記録であり、個人的にはそのまま出版してくれないかと思っています。
番組を視聴した人には「三権分立」が幻のように感じられたかもしれません。
東京大学退官後の團藤博士は半年だけ慶應義塾大学で教鞭をとりました。
最高裁判事に選ばれ、それを受諾。
慣れない実務の世界に入るのが博士にとってよかったのか・・・
番組をみていると、博士の苦悩をひしひしと感じることができました。