早朝にベルンハルト・グリュンと散歩をしていたときのことです。
クモの巣にヤマトシジミがかかりました。
ジョロウグモTrichonephila clavata がすかさず襲いかかりました。
私のこれまでの観察では、ジョロウグモは「慎重派」でした。
獲物が巣にかかっても、なかなか襲わないのです。
獲物が何であるか、大きさや形状、質感を確かめているようにみえました。
自分よりも大きなバッタなどは巣を揺らして排除します。
私は、スズメバチを仮死状態にして与えたことがあります。
ジョロウグモは脚先でスズメバチをつつくのです。
自分が刺される心配はなさそうだ。あいつはもう死んでいる。
こういう判断をすると、素早く糸をかけて簀巻き状態に。
それからおもむろに食べ始めるのです。
そういう慎重なジョロウグモが今日は素早い行動をとりました。
網にかかった獲物が抵抗しない蝶であるという判断をしていたようなのです。
獲物が弱者であるーこう判断すると迅速に攻撃に移るようです。
巣の振動から判断するのか、あるいは視覚によるのか。
このあたりは謎です。