「鬼畜」のラスト
久々に映画「鬼畜」をみました。
岩下志麻さんと小川眞由実さんは30代。
緒形拳さんが40ちょっと。
随分と貫禄があり、演技も熟達している印象です。
貫禄に熟達-当然比較対象があってのお話ですが、そのことは書きません。
「鬼畜」のラストシーンについては2種類の解釈があるそうです。
それは子供のセリフにかんするものです。
私は脚本家の意図どおりの解釈をしていました。
しかし、脚本を読んだ野村芳太郎監督が
「あまりに救いがない」
と感じて、セリフをつけ加え、2通りの解釈が可能にしたそうです。
あの頃の映画はみる側の解釈を許容していました。
最近のようにすべてをセリフで説明するようなことはありませんでした。
作り手と受け手の間のコミュニケーションが成立していたように思います。
今は、一方的に内容を押し付けられるような作りの作品が増えました。
「復讐するは我にあり」と「野獣刑事」
「鬼畜」が作られた頃は緒形拳さんの主演作が続々と公開されていました。
まさに「緒形拳時代」の観がありました。
その中で、大学の講義でもとりあげられたのが「復讐するは我にあり」です。
講義していたS助教授(当時)が
「三国連太郎さんと倍賞美津子さんの・・・」
と濡れ場の説明をしました。
私は既にみていたので知っていましたが、具体的な説明に教室がどよめきました。
今なら完全にセクハラ扱いされるでしょう。
後に刑事政策の大家となったS教授ですが、時代がちがっていれば大家どころではなかったかも。
最後に緒形拳さんと子供ということで挙げると、
「野獣刑事」
という作品のラストで子役がみせる表情が印象的です。
この作品ではいしだあゆみさんの・・・これ以上書くとセクハラかもしれませんのでやめておきます。