今回は司法書士試験の受験生向けの内容です。
司法書士試験では記述式の問題が出題されます。
不動産登記法1問、そして商業登記法1問です。
それぞれ登記申請の内容をメインに、小問に分かれています。
各35点で計70点。
択一式が午前105点、午後105点ですから記述分を合わせると280点。
つまり、記述式の得点は総得点の25%を占めています。
くわえて記述式試験だけで基準点が設けられています。
択一式が満点で、記述式の得点を加えて合格ラインを超えた≠合格
記述式の基準点を下回っていれば不合格です。
記述式で十分な得点を挙げることは合格するうえで必須です。
そのために申請書式の雛形書写を繰り返す勉強法を推奨する人がそれなりにいます。
断言します。書写は無意味です。やっている人はすぐにやめた方がいいでしょう。
たとえるなら数学の公式を書写して完全暗記しても、問題を解くことができないことと同じです。
具体的な問題の中でどのような申請をすることが適切であるかを理解しなければ、
本番ではまず太刀打ちできません。書写で対応できる問題など過去に出題されていません。
たしかに書写をすることで申請書式を覚えることはできるでしょう。
しかし、問題を解くことにはつながりません。
書写は単なる作業であって、勉強ではありません。
問題文を解析し、権利関係を見きわめて適切な登記申請の選択する力をつけるには?
問題演習しかありません。過去問や模試の問題を集めて繰り返す。これで十分です。
書写を繰り返す時間を問題演習に充てるべきです。
書店では、各受験機関が作った雛形集みたいな本も売られています。
買う買わないは個人の責任で。
私は雛形書写よりも「雛形激写」の方がよほど役に立つと思っています。
なお,買うならテイハンから出ている「不動産登記記録例集」でしょう。
登記記録だけが載っている本ですが、これをみて申請書を想像できるようになれば合格です。
そして、この本は合格後も参照することになります。