サスペンス・スリラーの作品に素晴らしいものがあった銀河テレビ小説。
島田陽子さん主演の「陽炎の女」はジェームズ・M・ケインの「殺人保険」が原作です。
ケインの名前は我が国ではいまひとつポピュラーではありません。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の原作者といえば
「ああ・・・」と思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
なお、この小説には郵便配達の人は一切出てきません。
小説を読んでタイトルの意味を推測するほかないのです。
かなり面白かったのに「陽炎の女」のテーマ曲を思い出すことはできませんが、
ミシェル・ルブランの「未亡人」を脚色した「鏡の中の女」はテーマ曲が印象に残っています。
ソニア・ローザが歌う大野雄二さん作曲のボサノバ調でした。
この作品は多岐川裕美さんが主演ですが、無名時代の役所広司さんが出ています。
蟹江敬三さんが不気味で強い印象を受けました。
「夏に逝く女」はルイ・C・トーマの「死のミストラル」が原作です。
このドラマもテーマ曲を歌ったのはソニア・ローザ。作曲は大野雄二さんでした。
ルブランもトーマもともに我が国では多くの本が出ているわけではありません。
しかし、フレンチミステリらしいサスペンス色溢れる作品は今も楽しめます。
主演は名取裕子さんと鹿賀丈史さんでした。
いずれも原作は我が国ではマイナー作品です。
それらを丁寧にドラマに仕上げたNHKには敬意を抱いています。
でも、最近の大河ドラマ等には往時のNHKを忍ばせるものは皆無。
残念です。