福岡県糸島市 司法書士 ブログ

適正件数は?

適正件数-意味がわからないかもしれませんね。

ここで私が考えたいのは司法書士として依頼を受けて対応できる事件数のことです。

私は損保会社で自動車保険の事故に関する調査と保険金支払を行う部署に長くいましたので,

この適正件数にかんしては私なりに「感覚」を持っています。

担当者1人あたりでいえば,対人賠償事故(人身事故)だと70~80件が適正です。

しかし,解決の難航や人員不足,さらには担当者の能力の問題があると部署の対応件数が滞留し,

その結果として各担当者の担当件数も増え,サービスの質の低下を招くという悪循環に陥ります。

この点のコントロールも管理職の仕事のひとつです。

一般職が担当する物損事故は1人あたり110件くらいまでが適正件数でしょうか。

私が一兵卒として担当者をした期間は短く,新人の年からせいぜい4年です。

この間に示談を成立させたのはおそらく1000件くらいでしょう。

その後は次席として部署の調整と極めて難航した事件の解決や訴訟関係の仕事になりました。

中には担当者としての仕事を続けて180~200件の対人賠償事故を抱える人もいました。

どちらが楽だったのか?と言われれば,後者です。プレーヤーとして働く方が絶対に楽です。

次席というのは管理職手当がつかないのにほとんど管理職の仕事です。割に合いません。

管理職になったらなったで種々の責任が伴います。

収入に見合うのかどうかは各人の受け止め方次第ですが,

私は管理職分の収入はいらないので担当者=プレーヤーをやりたかったのが本音です。

さて,司法書士ですが,これは基本的にプレーヤーです。そういう意味では楽です。

人の管理が必要ないというのはストレスが大幅に減ります。

問題は受任する件数です。何件が適正なのか?

駆け出しの私には,その感覚がまだわかりません。

交渉事が少ない仕事ゆえ弁護士よりも件数を多めに受任できそうな気がします。

親しい弁護士さんは概ね40件程度を基準にしていました。

これを参考にすれば60件くらいはOKかもしれませんが,個人的には40件までかな,と思います。

依頼者をすべて記憶し,名前を聞けば事件を思い出し,

経過をタイムリーに報告することで安心していただける件数。

これが適正件数です。そして,自分自身が超過勤務にならないことも勘案しなければなりません。

お会いした司法書士さんの中には140件弱が同時進行中(本人談)という方もいました。

事務所の司法書士は1人。

適正なサービスを提供できているとすれば(間違いなくできているのでしょう),称賛に価します。

私も損保時代のノウハウを使えば,そこそこの件数を管理する自信はあります。

が,一人一人に丁寧に向き合うとすれば40件という件数が丁度いいかもしれません。

飽くまでも私レベルの能力の者にとっては,という話です。

 写真は映画「事件」の1シーンです。

      重要な役である「坂井ハツ子」は大竹しのぶんさんで,これはNHKのドラマでも同様でした。

    丹波哲郎さんは弁護士役。「ウソをいってはいけない」というセリフが印象に残る演技でした。

 

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