秋は読書の季節ということになっています。
ですが,日常的に読書をする身としては,いまひとつ実感がありません。
よく訊かれるのは「何冊くらい読むか?」という点でした。
20~30代の頃は年に100冊程度でした。これをすごいという人もいます。
しかし,3日に1冊程度です。それほどすごくはありません。
多読濫読の時期を経て,今は熟読精読の時期かもしれません。
40代になった頃から絞った読書をするようになりました。
同じ本を何度も読み返すことが多くなり,小説でも様々な視点から物語を解釈するようになりました。
法律書にかんしていえば,精読を心掛けていましたが,評論や小説は濫読するだけでした。
50代の今も熟読精読を心掛けています。
そのため本の買い方も変化しました。
若い頃は興味をひかれる新刊書を片っ端から買っていましたが,今は徹底的に精選しています。
小説を読む割合が減少し,古典(必ずしも日本文学の古典にかぎりません)と呼ばれるもの,
あるいは硬めの内容のエッセイや評論を読むことが増えています。
女優の美村里江さんは漫画本や絵本が多いとはいえ月に200冊くらい読むそうです。
これは可能なのか? 毎日読書三昧でも6乃至7冊平均で読むことになります。
24時間読書三昧でも1冊を4時間くらいで読まなければなりません。
たしかに漫画本ではそれが可能かもしれませんが,小説を堪能するには足りません。
速読法を使っているわけではないそうです。
どうやって実現しているのだろう?
教えてくだされば,私も月に100冊くらいは読めるかもしれません。
多読濫読と熟読精読が両立できれば最高の幸せです。
最近になって書斎だけでなくリビングでも本を読みたくて,読書に適した照明をつけました。
次は読書用のチェアを購入しようかと思っています。
その費用を捻出するためにも仕事をしなければ。
★ 折に触れて手にとることが多い本を4冊だけ選んでみました。小説からはあえて選びませんでした。
「やややのはなし」(文藝春秋社)は作家吉行淳之介さんのエッセーです。
「過去をもつ人」(みすず書房)は詩人荒川洋治さんのエッセー。
「民主主義の本質と価値」(岩波書店)はケルゼンの代表作。「純粋法学」や「一般国家学」より読みやすく面白い本です。
「法学の誕生」(筑摩書房)は民法を学んだ人なら誰でもその名を知っている内田貴教授の労作です。