先日,行政書士が逮捕されたという報道に接しました。
職務上請求書を利用して戸籍謄本等を不正に取得し,探偵業者に渡していたそうです。
800回ほどで2600万円の売上げだったそうで,1通あたり7500円。
微妙なギャラかもしれません。
不正が発覚すれば資格を失い,刑事被告人になる可能性がある代償としては安いかな,と思いますが,
大量発注が約束されていれば,やってしまう人がいるということかもしれません。
以前にも弁護士がこの種の事件で話題になったことがありました。
オウム真理教事件の被害者弁護士の同僚で,事件をきっかけにしばしばテレビに登場するようになった人でした。
親しい人の頼みだし,たぶんバレないだろう。バレても事件依頼があることにしよう。
こういう感じでしょうか。
しかし,この種の行為は厳に慎まなければなりません。
以前はいわゆる部落差別の関連でこの問題がしばしばとりあげられていました。
部落解放同盟の方とも何度か話をしたことがありますが,平成後期になっても悪質な身元調査は続いているそうです。
人権感覚にかんして我々司法書士も鋭敏であるべきで,戸籍謄本等を職務上請求という形で取得できるのはなぜか?
ということをよく考え,そして自覚しなければならないと思います。
写真の本は差別問題を考えるうえで参考になります。