相続バブル?
相続登記の義務化が決まる可能性が極めて高くなりました。
罰則つきですが, どこまで適用されるのかはわかりません。
会社登記の懈怠に対して罰則が適用されたという話は寡聞に
して知りませんし(笑)。
ですが, 社会一般にはインパクトがあるでしょう。
法務省もそれなりに周知を図るに違いありませんし, 各地の
司法書士会も相続登記相談センターを設けるなどして準備を
始めています。
さあ! 相続バブルの到来だ!
と思ったら大間違いだというのが私の考えです。
★ 21世紀に入ってすぐに放送されたNHKドラマ「バブル」の渡瀬恒彦さん。
クレジットでは高嶋政伸さんがトップで,渡瀬さんはトメ。
でも内容は完全に「渡瀬恒彦主演」でした。
定型業務ではない相続
過払金請求や債務整理にかんしては, ある程度の業務が定型
化されており, 法人では入口の面談は司法書士がやるものの,
その後の貸金業者との交渉等はすべてパラリーガルがやると
いうケースが多いのです。 それだけパターン化が進んでいる
ということです。
では相続はどうか?
たしかに戸籍の収集などは慣れれば全然難しくはありません。
しかし, どういう形の相続をすべきかの判断は事件ごとに異な
ります。 相続人の意思確認はもちろん, その感情面への配慮等
は事件によってさまざまになるでしょう。
というわけで, 「相続の相談が増えた=事務所の収入アップ」と
いうことにはならないと思われるのです。 法人のように多くの
スタッフを抱えている場合は別として, 個人事務所の場合には
受任できる件数に限界があります。
おそらくバブルは来ません。おそらくは。
多忙になる?
おそらく相続関連の相談は増えるはずで, 我々はそれなりに
多忙になるでしょう。
でももっと忙しくなる人たちがいます。
それは市役所や町役場の職員さんです。
我々からの大量の戸籍謄本等の請求が届くのは間違いない
と思われるからです。 そうなると職務上の請求もネットで可能
にするという話も出てきそうです。そうなれば請求書を手書き
する手間が省けて楽だな, と思っています。 今日も1件遠方の
戸籍謄本等を請求しましたが, 最近は手書きを面倒に感じる
ことが多くなりました。