昨年のプロ野球は投高打低の傾向が顕著でした。
つい何年か前までは打高投低といわれていました。
打者の技術の進展に投手が追い付いていないと。
ところが、昨年は佐々木朗希投手のパーフェクトゲームをはじめとして、
東浜投手、今永投手、山本投手にポンセ投手がノーヒットノーランを達成。
ドラゴンズの大野雄大投手は10回2死まで完全試合、
佐々木投手は完全試合の次の試合でも8回を完全に抑えています。
両リーグ合わせて12人が防御率2点台。
一方、打者は両リーグを合わせても3割打者が6人しかいませんでした。
パ・リーグでは2割6分台の打率でも打撃ベスト10に入っています。
本塁打も村上宗隆選手が日本人最多記録を更新する56本を放ったものの、
30本を超えたのは両リーグ合わせて3人だけ。
ホームランを増やす工夫までした球場があってもこの結果。
打点も村上選手が134打点というハイレベルの結果を残したのが目立ったくらい。
打点90を超えたのは、打点王の村上・山川(90打点)の両選手だけです。
なぜ、こうなったのでしょう?
MLBではハードシンカーを投げる投手が登場しました。
しかし、使い手は限られており、NPBではハードシンカーを投げる人はいまだ登場していません。
投手では佐々木投手が異次元の球速を誇りますが、体力的にはまだまだです。
だからシーズンを通して勝ちまくったわけでもないのです。
ということは、打者側に打高投低の原因を求めざるを得ません。
私が思うには、一発狙いの大振りが増えたことに原因があるように思います。
MLBの「フライボール革命」の影響ではないでしょうか。
スワローズの山田選手は昨季は不調でしたが、それ以前も3割を打てないシーズンが続いています。
ゴールデンイ―グルスの浅村選手も同様です。
中心打者がブンブン振り回す傾向が強くなって、投手優位の傾向が強くなっている印象。
失ったヒットの数と増えた本塁打の数を比較したときに、どちらがチームに貢献しているのか?
この辺も含めて今の打撃の傾向を検討する必要があるように思っています。
個人的には正確なミートでライナー性のヒットを量産する打撃が好みです。
たとえば、ホークスに移籍した近藤選手のような打撃です。
打線がつながり、攻撃にリズムが生まれます。
野球がチームプレーのスポーツであることを実感できるのです。