ありがたいことに,この年齢でもスカウトのご連絡を頂戴することがあります。
概ね大手法人からのもので,現時点ではすべてお断りしています。
認定考査の結果が出たら即就職活動という方も多いかもしれませんので,今日はシューカツの話題です。
法人に就職することにはメリットもありデメリットもあります。
メリットとしてはある程度バリエーションに富んだ事件を経験できる点です。これは私自身の経験です。
デメリットを挙げるとすれば,仄聞するところでは登記申請書を作る機会がなくひたすら決済の立会ばかりやっている例とか,
組織が幼く(社会経験が少ない人が経営者だったりします)サークルのノリみたいだという話を耳にします。
パラリーガルが嫉妬深く意地悪だったという話も聞きました。以上はすべて聞いた話です。
県司法書士会でも「就職先の選択を慎重に」という趣旨の書面を配布したはずですので,
働いている先輩の話を直接聞いたり,訪問して実際のオフィスの雰囲気を感じとる必要があるでしょう。
ほかに法人就職のメリットとしては①定期に定額の収入を得られるので生活が安定すること,
②年金や健康保険,③事務所賃貸やオフィス機器の経費がかからないことなどがあります。
おカネにかんするかぎりはメリットは十分にあります。
一方でおカネにかんするデメリットもあります。
それは勤務司法書士の年収がかなり安めの設定である点です。
法人の社員かつパートナークラスになったとしてもサラリーマンの平均の2倍程度だと聞きました。
そうであれば,手取りで1000万円には達しません。
だったらサラリーマンの方がマシだということもいえるかもしれません。
以上のように種々の点をよく検討して考えると,次のようにいえるかもしれません。
私のように社会人生活が長く,今すぐにおカネが欲しい状況でもない人は開業して自由にやればよい。
反対に,これからが社会人生活のスタートかそれに近い人は法人で社会経験を積んでから開業を考えればよい。
ちなみに52歳までは前にいた業界からもスカウトの話をいただきました。
「新たな部署の立ち上げとその指揮をお願いしたい」
「部門の統括を全面的にお願いし,人材を育てていただきたい」
ありがたいお話ですがすべてお断りしました。
私如きに依頼するというのは,よほどの人材難ということでしょう。
「若い頃の苦労は年をとってから堪える」と考える私です。50歳を過ぎてから好き好んで苦労はいたしません。
組織人には何かと気苦労が絶えませんし。
★ 文中の写真はchouxとescalopeです。合わせるとシューカツなのです。