福岡県糸島市 司法書士 ブログ

やめる理由

いやだから

社会人として最初に勤務した会社を辞めて半年くらい経過したときに

街中で偶然に以前の上司に会いました。 その際は楽しく会話をしたの

ですが, 別れ際に言われました。「もったいなかった。君は一選抜だっ

たから, いずれはそれなりだったのに」と。

自分が一選抜だったとはそのとき初めて知りました。知って思ったのは

「もったいなかった」ではなく「やはり辞めてよかった」です。

「一選抜」というのは同期入社の中のトップ扱いということです。

私はそういうものは望んでいません。 辞めた理由も大規模部署の

管理職をやるのが嫌だったからです。部下の人事考課をつけたり, 日々

書類を大量にみて押印し続けるような仕事は嫌いでした。

当時の社長と話をしたときに, 乱世到来の状況にある業界をこの人の

舵取りで乗り切ることは難しそうだ, と判断したことも理由のひとつで

はありますが,  第一の理由は「管理職が嫌だから」でした。

それでも私としては社会人の基礎を学んだ会社としてよい印象だけが

残っています。

自分のモラルに鑑みて

こうして辞めた私がもぐりこんだのは政府系の法人です。

中途採用の倍率は50倍以上だったそうですが, うまい具合に採用され

ました。 ですが,  これが大変なミスマッチで, 具体的に書くと暴動を誘発

しかねないので書きませんが, 湯水のように税金を費消する世界でした。

「国民に顔向けできない」という日々です。

そのうえ時間コストという観念がない。国会対応があるという特殊な理由は

あるにせよ, ダラダラと長時間を職場で過ごすことが常態化しており, あま

りにも時間がもったいないという印象でした。

周囲からは「もったいない」と言われましたが,さっさと辞めました。

損保業界にカムバック

結局, 経験と勘を使える損保業界にカムバックしたのですが, 私が持つ特殊なノウ

ハウを欲しがっている会社があり, そこでそのノウハウを会社に注入しつつ特殊業

務を行う部署を立ち上げる仕事につきました。その際にも「同年代の一選抜として

扱います」と申し渡されたのです。「そんなんいらんわ」と言いたいところですが,

採用される側としては口にできません。

約1年にわたり,好き勝手に動くことができ,新部署もできあがって,さて,次は何を

好き勝手にやろうかと思ったら,その新部署の管理職になってしまい「おいおい」

という結果になりました。ですが, その部署の仕事をわかる人は社内に少なく,

結局は私の好き勝手にできてしまい, その間は楽しませてもらいました。

しかし, またまた大規模部署の管理職をやることになりました。 「ついていないな」

と思ったものです。

それでも収入は恵まれており, 現在のサラリーマンの平均値の3倍以上, 子供が

いないうえに「飲まない買わない打たない」が信条の私にとっては, お小遣いが

たっぷりで, まさに青天井の出来高払い。 「それをもってよしとするか」 ということ

で無理やり自分を納得させたのでした。

そしてうつ病です。当初は仕事の多忙さが原因だと思っていましたが, 実は全然

異なる原因がみつかるのは, 休職期間満了で辞めた後です。

never give an inch

こうして今は司法書士になっています。

司法書士になった後にごく短期間だけ某法人に勤務しましたが,  すぐに辞めま

した。 その法人の司法書士さんたちは人柄がよく, 今後もおつきあいしたいと

思っていますし, 若い人が多い組織にもかかわらず, 私のような中高年に声を

かけてくださったことには今も心から感謝しています。

ではなぜ辞めたのか?

理由は二つあります。一つは, 私が毎朝出勤するようになってから猫の体調がおか

しくなったのです。 猫ファーストである自分にとってこれは一大事でした。

もう一つ, これは絶対に譲れないことがあったからで, ある人から社会人になって

最高に酷い恥のかかされ方をしたからです。 具体的には書かないことにしますが,

モラハラといってもいいでしょう。若い頃の私であれば,  応接室あたりに引っ張って

行き, そこでクンロクを入れるところですが, なにかにつけてよくしてくださる先輩

司法書士さんに迷惑をかける結果になりかねません。黙って辞めることにしました。

ついでに書くと, 昔の私なら辞めてからも「返し」を確実にやったはずで, 今は随分

穏やかな人間になったものだと自分でも驚いています。 これはうつ病のおかげかも

しれません。

 写真は俳優の奈辺悟さんです。有名ではありませんが私の好きな役者さんです。

  「仁義なき戦い 代理戦争」ではヒットマン(「どうせそこらのぼんくらじゃろ」と言われる若者)を,

  「県警対組織暴力」では重要な役を演じています。

  なぜか俳優を辞めてしまわれ,非常に残念に思っています。

やめてから

やはり組織には向いていない人間らしい。辞めてから漸く自覚しているような次第

です。なりたくてなった勤め人ではありませんした。そこで無理をしていたのもうつ

の原因かな, と思ったりしています。

辞めて惜しかった職場は最後の司法書士法人です。 しかし, 絶対に譲れない線に

ついては守り通したことに満足しています。

なお, 文中の「クンロク」「返し」は東映映画のファンにはおなじみではないかと思い

ますが, そうでない人にはよくわからないかもしれません。 文章の流れで察して

ください。

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