NHK朝ドラの「ちむどんどん」が炎上しっぱなしです。
ネット上は「ちむどんどんいじめ」の様相を呈しています。
いかに問題点を論うかの競争状態です。
私が気付いた当該ドラマへの代表的な非難は以下のとおり。
1 母親(仲間由紀恵さん)が長男(竜星涼さん)に甘すぎるから長男がまともに育たない。
2 主役の暢子(黒島結菜さん)の行動・発言が思いつきばかり。
3 妊娠を軽く、甘く考えているとしか思えない。
4 相手役の和彦(宮沢氷魚さん)が記者なのにペンではなく腕力で戦おうとした。
5 展開が雑過ぎる。
比較対象として前作「カムカムエブリバディ」は感動作で素晴らしかったとされます。
さて、上記1乃至5はそこまで非難すべきことでしょうか?
1に関していえば、「母親は常に子の味方」という話は少なくありません。
2は急に思いつくようでいて、その下地はドラマの中で描かれています。
また、急にひらめくからこそドラマらしさが発揮できるともいえます。
3は感覚の問題で、店の切り盛りをする以上、働くことに懸命になるのは普通。
臨月まで働く人は別段少ないわけではありません。
4も流れの中では自然にみえました。
5に至っては、どこまで緻密ならご満足ですか?という話でしょう。
称賛される前作「カムカムエブリバディ」は私も面白くみたのですが・・・
ヒロインが娘に“I hate you”といわれただけで、いきなり渡米するというのは雑では?
と思うのです。普通は誤解を解こうとしたり、謝ったりするでしょう。
ドラマの都合上、どうしても「ご都合主義」になるケースはあります。
それでもNHKの朝ドラはドラマ足り得ていると思います。
それは、すべて人がきっちり演じ、その姿を映し出しているからです。
CGを多用したり、あるいは瞬間芸のようなシーンはありません。
ツッコミを入れるのは楽しくやればいいのに、今はいかに非難するかに必死な人が多いようです。
きっと毎日のストレスがきつ~いのでしょう。
ドラマに悪態をついて溜飲を下げる状況は、かなりアブナイかもしれません。
「ちむどんどん」をみていると、黒島結菜さんの演技力の高さには瞠目すべきものがあります。
目の中の表情のうつろいが素晴らしいのです。
ツッコムとすれば、片岡鶴太郎さんがあまりに二枚目路線で演じすぎのところでしょうか。
鶴太郎さんの真骨頂は、大河ドラマ「軍師官兵衛」での小寺政職役あたりのように思います。
それから竜星涼さん演ずるニーニーの寅さん的雰囲気が消えてしまいました。
これは、ちょっと惜しい気がします。