周囲は敵だらけ?
庭の敵といえば、雑草。
その中でも「庭にあってはならない」植物は以下のようなものです。
チガヤ・・・イネ科の外来種
セイタカアワダチソウ・・・キク科の外来種
ヒメムカシヨモギ・・・キク科の外来種
ヨモギ類・・・キク科
これらは、種子だけでなく地下茎でも繁殖します。
駆除には大変な労力を要します。
イネ科の雑草各種はいずれも大敵。
キク科では、上記のほかには以下のような種が要注意。
ウラジロチチコグサ
ウスベニチチコグサ
いずれも外来種で、放っておくと庭一面を覆うくらいに増えてしまいます。
ノゲシとアキノノゲシにも注意が必要です。
これらキク科の植物は抜去しやすい点が救いです。
オオキンケイギクは花が美しいので放置している家もあります。
が、これも大変なことになるので即抜去の対象です。
栽培は法律で禁止されています。
庭に侵入した株を放置していると「黙示の栽培」扱いなのか?
つる性のものでは以下の2種が庭に入ると、とんでもない事態に。
ヤブカラシ・・・ブドウ科
ヘクソカズラ・・・アカネ科
後者は根を抜去して駆除できないわけではありません。
かなりきつい作業になりますが。
それに比べると前者への対応は非常に困難です。
根の抜去が難しいのです。芽を出したら抜くことを繰り返すほかありません。
その分、果実で旺盛に繁殖する後者に比べ、前者はほとんど結実しません。
地下を這う根だけが頼りのヤブカラシにはゲリラのような印象があります。
美しい花を咲かせるので騙されてしまうと大変なのが、アカバナ科の各種。
特に、コマツヨイグサはしつこく生えてきます。
オオマツヨイグサやメマツヨイグサにも注意が必要です。
マメ科では、クズとメドハギに警戒しなければなりません。
クズが大きな塊根(かいこん)を作ってしまうと、駆除は無理。
悔恨の気持ちを抱く結果になるでしょう。
タデ科のスイバやギシギシも種子を大量につけて繁殖します。
これらも見つけ次第に駆除しなければなりません。
そして、放置していると自宅の庭が滅茶苦茶になるだけではないのです。
種子の飛散で隣近所にかなりの迷惑をかけることになります。
こういった雑草の放置は悲惨な結末を招きます。
★ セイタカアワダチソウの根 このように地中を横に這って広がります。 秋には綿毛つきの種が風に乗って広がります。
根を下ろした場所で広がりつつ、さらに子孫を遠くにも・・・恐ろしい戦略です。
雑草対策
では、どうするか?
庭に雑草が生えにくくすればいいのです。
防草シート?
これの効果は限定的です。いずれ劣化します。
強い雑草は防草シートをものともせずに突き破ります。
劣化してボロボロになったシートが土壌を・・・
よっておすすめできません。
学ぶ対象は自然です。
自然が先生です。
1 日陰を作る・・・陽光を好む雑草が生えにくくなります
2 グランドカバープランツを使う
この2つの組合せが有効です。
日陰作りには樹木を使います。
陽光を遮るために常緑樹を…と考える必要はありません。
落葉樹の葉が落ちる冬場は少々陽が射しても大丈夫です。
庭に合う美しい樹を選ぶべきです。
樹形には注意が必要で、上で横に広がるような樹がおすすめです。
雌雄異株の場合は、雄の樹を選びます。
結実して落果、そして発芽ということが起きません。
間違ってもシマトネリコのように大量の種子を落とし発芽する樹を選ぶべきではありません。
敵を増やす結果になるだけです。
グランドカバープランツはハーブ類のほか適切なものが売られています。
これらで覆えば、雑草は入り込めなくなっていきます。
いずれも100パーセントの防除はできません。
でも、雑草が目立つので見つけやすくなります。
「見つけたら抜く」
これは励行しなければなりません。
そして、庭の管理者の基本姿勢でもあります。
労力と学び
庭の管理は大変です。
美しく保つには、雑草の除去と剪定は欠かせません。
剪定をするにも適期というものがあります。
たとえば、9月に入ってキンモクセイを剪定すれば、花は咲きません。
キンモクセイは、あの香りが生命線の樹(樹木としての観賞価値は高くありません)。
人気のハナミズキなども秋に剪定してはいけません。
既に花芽を作っているからです。秋に剪定すれば、翌春は花が咲きません。
こういう知識を身に付けながら庭を管理するのは大変ですが、楽しみでもあります。
葉や花の色を考えて配置する点は美術的な楽しみも含まれます。
植物を守るためには病害虫についても知らなければなりません。
学ぶことだらけですが、上記したように自然が教えてくれることは非常に多いのです。
庭をいじっていれば、自然に関心を抱くようになるはずです。
体を動かして作業をすることと学ぶことがいやだったら庭を作ってはいけないのです。
雑草だらけにして近所に迷惑がられる結果しか招きません。
ご近所の方は、大きな株のバラを育てていました。
発色がよく美しい花を咲かせていましたが、最近になって鉢上げしています。
なぜか?
理由は、バラの株にチガヤの根が入り込んでいたから。
チガヤを完全に根絶やしにすべく、バラを一時的に避難させたのです。
お宅を建てる前にもチガヤの根を除去するために重機を使った方です。
チガヤ対策については徹底しているのです(そのくらいチガヤは厄介です)。
私にはよく理解できる判断です。
庭にチガヤがあるなど耐えられない・・・私も同感であります。