ミカドアゲハ Graphium doson は西日本の一部に分布する蝶です。
食樹は、オガタマノキ、タイサンボクです。
南西諸島ではタイワンオガタマ(オガタマノキの変種)を利用しています。
これらはモクレン科の樹木です。
世界的にみるとモクレン科を食するアゲハチョウ科の種はそれなりにいます。
我が国ではどうか?
与那国島に定着した観があるコモンタイマイ Graphium agamemnon はタイワンオガタマを食します。
よって2種だけ(尤も、コモンタイマイは人為的に持ち込まれて定着した疑いが濃厚ですが)。
我が国にはモクレン科の樹が数本。
その中にはオガタマノキがあり、ミカドアゲハを呼ぶために植えたのです。
今年も幼虫がついています。
その中で、なんと1頭がオオヤマレンゲの葉の上にいました。
葉には食痕が・・・もしかしたら食べたのかもしれません。
どうやらオガタマノキから移動したらしいのです。
かつて、私はミカドアゲハにモクレン、ハクモクレン、そしてコブシを与えてみました。
いずれも食べませんでした。
また、カラタネオガタマも食べません。
オオヤマレンゲを食べるとすれば・・・「日本初」です。
今の段階でも短い報文を雑誌に投稿すれば掲載されるでしょう。
しかし、それは若い人に任せたいと思います。
私は足を洗ってカタギになったので。
マジメに生態や分布を調べても、そこに意図的な人の手による工作の影がチラついて
「やれやれつきあいきれんわい」
と思ったのです。