「司法書士試験合格者の中にかわいい子がいるんですよ!
それで飲み会やろうと思うんですけど、どうですか?」
ある日、こういう誘いを同業者(つまり司法書士)から受けたと仮定します。
どうすればいいでしょうか?
おそらく、私は驚くと同時に、なんともいえない気分になるでしょう。
そして、微妙な微笑みだけ返しておしまいに。
最初に掲げた発言によれば
「かわいい女性が合格者の中にいる」
「だから飲み会をやろうと思っている」
ということになります。
「それで」は接続詞です。
前の言葉を後の言葉の理由や動機にする場合に使います。
つまり、これは「合格者の女性(たぶん発言者は特定の人を念頭に置いている)」が
「かわいい子」ではなかったら、飲み会を開くつもりはないということです。
私なら
「結構、あからさまに言っちゃってるなぁ~!大胆過ぎるぜ!」
と内心苦笑し、呆れるだろうと思います。
私が、このお誘いでは参加する気にさえならない理由は、この発言が第一。
我々は言葉の微妙な表現に非常に気を遣う仕事をしています。
法律を扱う仕事をする人は、特に接続詞にはうるさいのです。
だから、発言を聞いた瞬間に「ありえない」と思ってしまうでしょう。
次に、合格者側が先輩司法書士とのそういう会を本当に望んでいるかがわからないこと。
先輩を前にして何を話そうか? こわくないかな? 気詰まりかも・・・
新規の合格者がこんなふうに感じる可能性は大いにあるからです。
第三としては、誘いに乗って出かける自分の姿を想像すると、思い切りアホにみえるから。
飽くまでも「仮定」です。
「仮定」にしては具体的すぎる?
そのツッコミはナシでお願いします。
★ レイモンド・チャンドラーの「かわいい女」
原題は“THE LITTLE SISTER”
私が持っているのは創元推理文庫。1979年購入。
写真はフィリップ・マーロウ役のジェームズ・ガーナ―とリタ・モレノ
映画化は1969年。この映画には無名時代のブルース・リーが出演!