福岡県糸島市 司法書士 ブログ

WBCの実況放送

我が国や米国では野球は超メジャーなスポーツです。

しかし、世界的にみればマイナー競技に過ぎません。

なぜなら、野球は用具におカネがかかるから普及しないのです。

貧しい地域では野球よりもサッカー。

ボール1つでもプレーできます。

我が国が野球大国になったのは、野球が持つ特性が国民性にマッチしたからでしょう。

一球ごとに間があり、次の一手を考えることができる。

試合が終わるまでは逆転のチャンスが残ります。

3点差でも9回裏二死満塁だったら、劣勢のチームに最後まで勝つ可能性があるのです。

戦力に劣るチームが工夫で巨大戦力のチームを倒すことも可能です。

このあたりは桶狭間の戦いに心を奪われる人が多い点を思わせます。

サッカーではこれらはなかなかあり得ません。

日本人好みなのです。

 

だからWBCが始まれば盛り上がるのは当然です。

MLBの選手が出場する米国を、実質実力1位のキューバを、

MLB選手の供給地であるドミニカを、アジアのライバル韓国を、

我が国の代表が倒すところをみたい。

こう思うのは当然です。

実況中継のアナウンサーも必死に盛り上げます。

特に今回はNHKの中継がなく、すべて民放だったので盛り上げもエスカレートした

・・・らしいのです。私は民放の実況のやり方が嫌いなので音声を消していました。

CMがうるさいのも音声を消す理由ではありますが、民放の実況は聞くに堪えません。

タレントがにぎやかしで参加するなど、ショーアップするばかり。

スポーツをじっくり観戦するのにはそぐわないのです。

 

あるNHK出身で民放にも出演した元アナウンサーの女性も苦言を呈していました。

「『見るものの魂を揺さぶるプレー』だの『日の丸を背負って戦う』だのと、国を持ち上げる表現の羅列。

『日本が一つになった』と言われると、戦争時を思い出してひねくれ者は不安になる。

素直に自然にそれぞれ喜べばいいので、必要以上の盛り上げや涙などいらない」

と述べています。

民放のアナウンサーの実況の酷さはわかるのですが、これには、ちょっと首を傾げました。

この方は、

「選手たちの懸命さに比べて、放送する側の言葉が紋切り型で表現力に欠けるのが気になった」

という批判に続けて、上記の文章を連ねています。

紋切型の表現への批判よりも、国を持ち上げる表現が使われることへの批判になっていないか?

また、「見るものの魂を揺さぶるプレー」は国を持ち上げる表現ではありません。

この方が言いたいのは

「『日本が一つになった』と言われると戦争時を思い出」すということではないか。

たしかに「ひねくれ者」だと思います。

戦争時に無理やり結び付ける発想こそ「紋切型」のものではないでしょうか。

選手たちの必死さや超一流のプレーには心を打たれました。

多くの人がそう感じたと思います。

それを全体主義的なイメージで捉えたがるというのは、「ひねくれ」過ぎでしょう。

WBCのゲームは面白かった。

だけど、民放のアナウンサーの実況放送はレベルが低かった。

それだけでいいのではないかと思います。

私は、もともとレベルが低い実況放送だとわかっているので、最初から聴かなかったのです。

上記の「ひねくれ者」を自認する元アナウンサー氏もそうすればよかったのです。

 

上手に盛り上げることができて、語彙も豊富な実況ができる二刀流アナの登場が望まれます。

本当に野球好きのファンが納得できるような実況ができるアナウンサーはいないのでしょうか?

NHKには人材が揃っています。民放はどうしてダメなのだろう?不思議です。

なんとなく答えはわかるのですけれど。

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