福岡県糸島市 司法書士 ブログ

FA

今年のシーズンオフはFAによる移籍が活発になっています。

これはプロ野球の話。

サラリーマンもFA宣言できるのです。

つまり、辞めて別の勤務先に移るという話です。

 1993年オフにFA宣言でジャイアンツに入団した落合博満選手

私も2002年2月にFA宣言して16年近く勤務した会社を辞めました。

辞めるからには、当然ながら次の勤務先が決まっていました。

ところが、私が退職するということが社内に知れ渡ると面白い反応がありました。

「力になれることがあったら言って欲しい」

みたいな声がかかったのです。入社年次が10年以上早い先輩からでした。

当時、勤務先では早期退職者を募集したりしていました。

募集といっても、実は「キミ、辞めてくれないか」という退職勧奨があったのです。

私が管理職になる前に勤務していた部署で同僚だったベテランが退職勧奨を受けました。

声をかけてくれた人は、どうやら私が「辞めさせられた」と思ったようでした。

なぜ、そうなるのか?当時の私は不思議に思いました。

同期入社の中では最短で大規模部署の管理職に昇格しています。

私はそれが嫌だったのですが、客観的にみれば退職勧奨を受ける対象ではないはず。

これを理解できないのが不思議だったのです。

が、しばらくしてなんとなくわかりました。

人は、無意識のうちに他人を下にみてしまうことがあるのです。

声をかけてくれた人は

「ダイレクト系の損保なら自分はツテがあるから紹介しようか」

とまでいってくれました。

つまりは、「辞めさせられて路頭に迷う私」が彼の念頭にあるのです。

かくかくしかじかで辞めます。当然ですが、次の就職先は・・・

私は面倒でしたが説明し、

「なんだ、そういうことか。いいところに決まったんだなあ」

と「納得」してくれました。

尤も、私は次の「いいところ」である転職先を2.5か月で辞めましたが。

 

それから1年程度経過した頃に、その人が私を訪ねてきました。

その人は業界団体に出向したのです。

私は元の業界に舞い戻っていましたから、仕事での訪問でした。

「一から出直しで大変だろう?」

「いえ、そんなことはないですよ」

「年収だって下がっただろうし」

「いえ、FA選手ですから大幅アップです」

「どのくらい」

私は指の本数でパーセンテージを示しました。

「・・・本当かよ。大したもんだなあ」

このFAは大成功だったのです。

おかげさまで家を建てるのが楽になりましたので。

 

次のFAの契機はうつ病で、休職から退職という流れでした。

社会復帰の手段が今の仕事です。

選手として雇われるのではなく、今度は一本独鈷です。

金銭的には・・・成功とはいえませんが、精神的には大成功かもしれません。

 

 

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