NHKの朝の連続テレビ小説「らんまん」は牧野富太郎博士をモデルにしています。
造り酒屋の当主となった主人公が、文献や顕微鏡を買い込んでいました。
金に糸目をつけない。湯水の如く注ぎ込んで手に入れる。
大店の若旦那らしい道楽ぶりのようにみえるかもしれません。
これと同じようなことをしていたのが・・・私です。
蝶に関する文献には惜しみなくおカネを使いました。
我が家には1冊数万円の図鑑がたくさんあります。
買うのは研究者と本気モードのごく少数のアマチュアです。
採集道具に標本箱などおカネがかかる趣味でした。
でも、得られた成果と、それに付随する思い出は貴重すぎるくらい貴重。
好き放題におカネを使ったことに悔いはありません。
今は半ば引退状態ですが、経験から備わってしまった「特殊な眼」は色々役立っています。
植物のちょっとした異常にはすぐに気づきます。
これは数多の経験で培った幼虫の居場所を見抜く力そのものなのです。
他人からみれば、カネを使いまくっただけで、自己満足に浸っているだけかも。
でも、趣味とはそういうものだと思うのです。
儲かるかどうかなど全然関係がない世界です。
世間に貢献しているかどうか?
一定の科学的知見を雑誌で公表しているので、貢献したといえなくもありません。
ただ、多くの人がそれに無関心というだけ。
私がもう少し熱い人間だったら、今ものめり込んだままだったと思います。
幸か不幸か、私は中途半端なところがあり、家庭をぶっ壊さずに済んでおります。
★ 左は「アジア産蝶類生活史図鑑Ⅱ」 48,000円(税別)
右は「図説東南アジア島嶼の蝶第5巻」 68,000円(税別)
大きさは普段使いの「アドバンス会社法」と比較しても明らかにデカい、
しかも、カラー図版がふんだんに使われた豪華な本。
それゆえ、当然に値が張るのです。
我が家にはこういうお高い本がたくさんあります。
私の道楽の「成果」であります。