サルペードンは、全知全能の神ゼウスとラーオダメイアの子。
その名は、今はアオスジアゲハの種名になっています。
Graphium sarpedon というように。
この写真はアオスジアゲハの卵です。
公園のタブノキ(クスノキ科)の新芽に産み付けられました。
我が国の Graphium 属の土着種は2種。
アオスジアゲハとミカドアゲハです。
ミカドアゲハの学名は、Graphium doson です。
種名ドーソンは、アンティゴノス朝マケドニアの王アンティゴノス2世の別名。
我が家のオガタマノキ(モクレン科)に産付された卵。
アオスジアゲハ同様に大きな卵です。
アゲハチョウ科の卵は目立ちます。
庭にレモンやキンカンを植えていると、おそらくアゲハやナガサキアゲハが産卵しています。
アゲハとナガサキアゲハの種名も神話に由来します。
昆虫の学名は、その由来を調べるとなかなか面白いのです。
世間一般では昆虫は「理系の世界」。
一方、神話は「文系の世界」。
でも、実際にはそれぞれが交錯する世界なのです。
若い頃には偏りなく学び、幅広い教養を身につける。
または、幅広く教養を身につける姿勢を身につける。
生物の学名をみていると、その必要性を痛感するのであります。