デジタル化を進めるーこれは結構なことだと思います。
その一方で、デジタル化がもたらすものを心配もしています。
まず、高齢者が切り捨てられる結果になるかもしれない点は問題でしょう。
誰もがデジタル化についていけるわけではありません。
また、そういう環境に恵まれない貧困層にどう対応するかも問題です。
誰もがOA機器を縦横無尽に駆使する社会というのは考えづらいのです。
次に、先日のETCの大規模システム障害のようなケースもあり得ます。
ひとたび機能不全に陥ると、全体が動かなくなってしまいます。
労働人口が減少する中、業務の効率化のためにもデジタル化を避けることはできません。
1人の労働者の生産性を上げる必要があるからです。
でも、どこか無機質な印象を拭えません。
人の手仕事が見直されるのは、進行するデジタル化への反動かもしれません。
司法書士の登記業務はデジタル化に馴染みやすい面があります。
初心者もベテランも同じ書類を作ることを求められるからです。
オリジナリティや創意工夫とは無縁の世界です。
司法書士の仕事のデジタル化がなにをもたらすか?
デジタルに慣れてしまうと、人への対応もデジタル的なものになりはしないか?
人と接し、その気持ちを理解し、そして仕事にそれを反映させる。
司法書士にしろ弁護士にしろ、その仕事は非常に泥臭い面があります。
デジタル化に熱心な士業の人たちが、対人関係までデジタルにならないことを願っています。