大河ドラマ「光る君へ」が最終回を迎えました。
ある記事では、「失敗作」と断じていました。
その理由は、
① 視聴者には馴染みが薄い時代であること
② 登場人物が「藤原姓」ばかりでわかりにくいこと
③ 戦闘シーンがないこと
であるというのです。
馴染みが薄いというのは、記事の書き手自身が知らないだけ?
登場人物に藤原姓が多いことで混乱したのは、記事の書き手の理解力の問題?
戦闘シーンは必ず必要なのか?
色々とツッコミどころが多い内容でした。
そもそも、本作は「失敗作」なのか?
近年の「主人公推し」の傾向は影を潜めました。
「どうする家康」や「鎌倉殿の13日と」のようなおちゃらけシーンはありません。
「青天を衝け」のように主人公の暗い部分を隠すこともしていません。
政治ドラマの側面と恋愛ドラマの側面をうまくミックスできていた印象です。
たしかに、血沸き肉躍る内容ではありませんでした。
淡々としたシーンが続いたりもしました。
でも、大河ドラマだから流血と殺戮が必要であるというものでもないでしょう。
戦らしい戦がなかった時代もあるのですから。
主人公紫式部と藤原道長のひそやかな恋ー本当かどうかはわかりません。
でも、2人の主役はリアルに演じたと思います。
軽すぎる大河ドラマ続きだった作品群と比べると、一段上の出来栄えだったように思いました。
私は序盤を視聴してみて、面白くなければ視聴をやめます。
本作を「ちょっとつらいな」と感じることは一度もありませんでした。
惜しむらくは、「重鎮俳優」不在くらいかもしれません。
あえて、マイナス点を挙げるなら、ということであれば。
しかし、今の時代に「重鎮俳優」とはいったい誰なのか?
以前はわかりやすかったのです。
クレジットの留めに「丹波哲郎」と出せば納得感がありました。
「光る君へ」のクレジットの留めは岸谷五朗さん、段田安則さん、そして佐々木蔵之介さん。
3人ともベテランで安心感を覚える役者さんです。
しかし、「重鎮」というイメージではありません。
丹波さんが短く「うん」というだけで、「やはり大物!」という印象を残すのとはちょっと違います。
では、誰に出てもらえばよかったのか?
そういう「重鎮感」を醸し出す役者さんがいないのが今の時代なのだー気づきました。
大河ドラマといえば、緒形拳さん、石坂浩二さんに西田敏行さん。
この3人は主役を複数回務めています。
出演が可能だったのは石坂さんと西田さん(今年お亡くなりになりましたが)。
あるいは、歌舞伎界から松本白鸚さんを招くか。この方も主役を2度務めていますので。
平安時代ゆえに歌舞伎俳優の出演が欲しかった・・・
惜しいのはこの点くらいでした。
さて、次回作はどうなるでしょう?