ネット記事などで「超高学歴」という表現を見ることが増えました。
主に芸能系の報道で使われています。
博士号を2つとったのか?
そう思ったら、早稲田大学卒業という程度の話だったりします。
大卒が溢れかえっている今の時代に大卒は「超高学歴」ではありません。
まあ、普通の学歴になっているレベルでしょう。
ーというように「学歴」という言葉の理解にズレが生じています。
前にも書いたことがあるのですが、学歴は「中卒・高卒・大卒」のようなものを指します。
どこの大学を卒業したかはまったく関係がありません。
「東京大学中退の超高学歴」という表現はかなりおかしいのです。
東京大学中退の人の学歴は高卒です。
そして、世間では高卒を高学歴とはみなしません。
「高学歴」は大卒以上に使われる言葉でした。
上記したように、「大卒」は今では普通の学歴だと思います。
ネット記事の学歴は、ほぼ例外なく偏差値的なランキング付けに基づいています。
これもおかしな話で、それは入試の準備となる模試の成績を受験者内で比較した数値。
決して大学の序列をそれでつけることはできないのです。
模試の種類は多く、しかも受験する人もしない人もいます。
「偏差値40から慶應義塾大学現役合格!」みたいな話が話題になったことがあります。
これも実にバカげた話です。
もともと高い学力の人たちばかりが受験したら、どうなるか?
本人の学力が高くても偏差値が低くなることはあります。
だって、偏差値は受験者の中での位置づけを表すものですから。
たとえば、東京大学合格レベルの人ばかりが受験していれば、最低値の人は低学力なのか?
その受験者集団の中では位置づけはたしかに低いでしょう。
でも、受験生全員参加の試験であればトップレベルになるかもしれません。
「高校までは高学歴なのに、大学がちょっとねぇ」
これも偏差値的なランクづけに基づいて、有名進学校に進んだだけで「高学歴」になっている例。
こういう記事(主にスポーツ紙)が多くなっています。
そのせいか、世間でも学歴を偏差値ランキングと同視するようになっています。
これは、なにかを使って上下関係を作りたがるせいでしょう。
我が国の「学歴」に対するスタンスは、やたらと偏差値を気にします。
受験産業が提供する「参考数値」を重視するなどバカバカしすぎて話になりません。
これを信奉する偏差値信者はきっと低学力なのだろうーこう思われても仕方がないでしょう。
そして、そもそも「学歴」で上下関係を作ろうとしたがることに意味があるのか?
私は、こういう疑問を感じるのでした。
★ アグネス・チャンさん
教育学の博士号を取得されていますの。この方は間違いなく「高学歴」です。