今年の簡裁訴訟代理等関係業務に関する認定考査の結果は・・・
認定率(合格率)65パーセントほどでした。
昨年よりも若干下がっていますが、依然として高率です。
認定考査に合格しても、認定司法書士としての特有の業務をやらない人もいます。
これを意味がないーとは思いません。
以前の記事にも書きましたが、要件事実論は法律を扱う上では避けては通れません。
紛争解決に携わらずとも司法書士をやっていく上では不可欠の知識であり能力です。
要件事実論を身につけると、「聴く力」もアップします。
依頼者等からの話を聴く際に、主張を組み立てるための事実を選択できるようになります。
事情と事実の区分けも上手になるでしょう。
だから司法書士試験に合格したら認定考査受験資格である特別研修受講を申し込むべき。
とは思うものの、おカネがそれなりにかかります。
受験する気がない人は、自分なりに要件事実論を学ぶ必要があります。
これもまた大変ではありますが。
ある大ベテランの先生がこう発言したのを耳にしました。
「あんなくだらん試験は二度と受けたくないよ」
私はまったく逆でした。
試験勉強も、そして試験そのものもかなり楽しかったのです。
そして、今も受験勉強そのものが日常の仕事に役立っていることを実感しています。
それにしても、要件事実論の学習を「くだらん」と発言する大胆さには驚かされました。
この試験は質量と方法を誤らなければ、勉強するだけ結果に反映される出題です。
今回不合格になった35パーセントの人は、それをどう克服するか?
とりあえずはっきりしたのは、今回の受験までのプロセスには誤りがあったということです。
試験はすべてこういう感じなのでリカバリーが可能です。
でも、認定考査の場合は「一度落ちると二度、三度と落ちる」とよくいわれます。
その原因はわかるのですが、ここには書かないことにします。
ひとつだけ書くとすれば、マニュアル&コピペ志向だと厳しいということでしょうか。
仕事においてもマニュアル&コピペでは様々な事件に柔軟に対応することが難しいでしょう。
書類作成マシンになるだけなら何とかなるとは思いますが。
★ 岡口基一裁判官の「神本」と呼ばれる「要件事実マニュアル」
これを使うのは、認定考査に合格してから、かつ、自分の頭で考えたことを確認するため。
飽くまでも「確認用」の本です。