不気味な存在のように扱われることが多いクモとコウモリ。
1971年に放映が始まった「仮面ライダー」でもそうでした。
記念すべき第1話は「怪奇蜘蛛男」でした。
そして、第2話は「恐怖蝙蝠男」です。
★ 左 怪奇蜘蛛男氏 右 恐怖蝙蝠男氏
不気味なイメージゆえ1番手と2番手に選ばれたのでしょう。
タイトル表記が漢字だったのは、小学生には難しかったかもしれません。
一方で、紙芝居から人気が出たとされるのが「黄金バット」。
こちらは骸骨ですが、「バット」です。
ダークヒーローの趣があるコウモリは米国にもいます。
あの「バットマン」です。
さらに、クモも米国ではヒーローです。「スパイダーマン」。
あまり知られていませんが、日本版の「スパイダーマン」も放映されました。
「青春の門」の主人公である伊吹信介の父重蔵は背に昇り蜘蛛の刺青を施していました。
重蔵は炭鉱夫のヒーローであり、大物俳優が演じる役。
★ 東宝版の「青春の門」で伊吹重蔵役の仲代達矢さん
左はタエしゃん役の吉永小百合さん
クモとコウモリは、世間にとっては決して嫌な存在ではないようなのです。
カステラの有名店である福砂屋は商標にコウモリを使っています。
中国では蝙蝠は幸福や慶事のシンボルゆえ。
クモにも神の使いなどといった伝承があります。
こうしてみると、クモとコウモリは「不気味」なのではなく「神秘的」な存在のようです。
我々は、なんとなくクモとコウモリに畏敬の念を覚えているのかもしれません。
★ 左 よくみかけるコガネグモ(♀) 右 夕暮れに飛び回るアブラコウモリ