朝ドラ「ブギウギ」の今週の放送でのことです。
主人公であるスズ子が
「義理と人情や!」
と発言するシーンがありました。
義理と人情を大切にするというスズ子の姿勢を示したセリフでした。
発言の相手はマネージャー柴本タケシです。
この柴本の伯父は山下達夫という先代マネージャー。
スズ子のマネージャーは最初が五木ひろき。 次が山下達夫。
これらの役名は歌手・ミュージシャンの名前を使ったシャレなのです。
その山下の甥である柴本に「義理と人情や!」と言い放つスズ子。
山下達郎さんの「義理と人情重視」の発言を炎上させた人もいましたっけ(笑)。
たしか音楽プロデューサーという職業の方でした。
—
『義理人情』という言葉はたしかに重い。それはいいだろう。
だが、その形は、時代にあわせてしなやかに変わっていくべきではないか。
紙風船のように。
—
正しいことを言っているようで、実は実体が全くつかめない発言です。
具体性がありません。
紙風船はしなやかに変化する「物」なのでしょうか?
空気が入ればふくらみ、抜ければしぼむ。
「しなやかさ」の象徴ではなさそうです。
本当に意味がわからないけれど、どことなく「それらしさ」のある文章。
だからこそ「正しそう」な雰囲気だけは出せるのです。
世間はこういう表現に弱いみたいです。
一時期は達郎非難でネット上はにぎわいました。
大騒ぎを煽った彼はどうなったのか?
世間は熱しやすく冷めやすいもの。
一時的にヒーロー扱いされた彼は・・・
もともと実績があった人だけに残念な言動だったと思います。
なお、彼は達郎さんの事務所から「クビにされた」かのように語っていました。
事実は、彼が達郎さんの事務所に顧問料を払ってアドバイスをもらう関係だったのです。
あるいは仕事の斡旋も受けたのか。
少なくとも雇用契約を解除されたのではありません。
もう一点、客観的な事実を指摘すると、彼を支持するミュージシャンが皆無だということ。
誰も彼の側に立ちませんでした。
彼はしたたかさが足りないな。こういう印象です。
謀叛するなら用意周到に。
印象操作だけではメッキが剥がれますよ。
さて、こういうムードだけの文章は結構そこここで読むことができます。
私はこの種の文章を書いて、したり顔でインタビューに答える人たちを
「軽量級の人」
と総称しています。
総じて中身がないので軽~いのです。
夫婦別姓問題にしても共同親権問題にしても、本質を語らない人が多い。
そういう人の発言は聴いていると情けなくなります。
主権者は誰か? 誰の視点で考えるべきか?
それらに触れず、諸外国と比較して日本が「遅れている」を一番に主張する人たち。
「諸外国が進んでいる」ことすら積極的に説明できません。
軽さを感じさせる発言は、まさに「紙風船」にたとえるべきかもしれません。
NHKが朝ドラで「義理と人情」の重要性を示しました。
昔も今も「義理と人情」は大事である。NHKはこういうスタンスを示した。
私はこう感じた次第です。
★ 映画「もっとしなやかにもっとしたたかに」(1979年)の一場面
左は高沢順子さんです。右が森下愛子さん。
奥田英二(当時の表記)さん共演の日活映画です。
ブレイク前の風間杜夫さんも出演しています。
監督は藤田敏八さんです。