経験と勘で仕事をするーこれは非常に楽なのです。
経験を踏まえる、つまり前例踏襲でなんとかなる。
勘は、身についた感覚でどうにかなるということ。
新たに学ぶ労力はいらないのです。
ただ、同じようなことを繰り返していく。
司法書士の仕事にはこの側面があります。
イレギュラーな登記申請は多くはありません。
たとえば、相続に基づく所有権移転登記申請。
家族関係は各家庭で様々です。
でも、経験を積めば勘所は身につきます。
毎回のように異なる家族関係に遭遇しても経験と勘で処理可能なのです。
これを繰り返すのも一つの生き方でしょう。
ですが、私はすぐに飽きてしまう習性をもっています。
「新しい展開」を求めているのです。
そこで、「財産管理人を経験してみよう」と思いました。
家裁の仕事です。
司法書士会から家裁に提出する候補者名簿に名前を載せることにしました。
そうしたら、日常的におつきあいがある社会福祉士の先生から相談がありました。
相続人がいない被後見人の方が、預金を残して亡くなったというのです。
成年後見開始の審判を求める申立書類を作ったのは私。
相続財産清算人選任の申立をするように勧めました。
相談を受けた日の夜に申立書類を作ってメールで送信。
これで社会福祉士の先生はスムースに処理できるでしょう。
その数日後は区役所の法律相談の当番日。
相続財産清算人の選任が必要なケースに遭遇しました。
ある程度の知識があったので、ポイントを整理してお伝え出来ました。
その数日後、今度は懇意にしている弁護士からの相談です。
弁護士自身が相続財産清算人になっていて、相続財産である不動産を処分するという話。
その登記申請を、と求められ、これも処理しました(前の記事で述べたとおり)。
相続財産清算人を必要とする相続が増えているようです。
私の見立ては間違っていなかった模様。
おかげで守備範囲が広がりました。
ここでは、私が得意とする裁判書類作成業務のノウハウを活かせます。
経験と勘で新しい展開をーこういう感じです。