以前の記事で紹介したヘクソカズラ Paederia scandens (アカネ科)が蕾をつける季節です。
このヘクソカズラが庭に侵入すると大変です。
縦横に根を張り巡らし、駆除には大変な労力を要します。
庭に侵入したら、即駆除しなければならない雑草の代表です。
そのヘクソカズラには海岸に分布する変種が存在します。
ハマサオトメカズラ Paederia scandens var. maritima です。
学名についている var. は変種を意味します。
ヘクソカズラの maritima という変種なのです。
ヘクソカズラの和名にはヤイトバナあるいはサオトメバナも用いられます。
変種の和名はハマサオトメカズラとなっています。
当然ながら、その性質はヘクソカズラと同じです。
庭に侵入させてはいけない代表的な雑草です。
続いては、イタドリ Fallopia japonica です。
イタドリは山菜として食べることもあり、薬効もあるとされているのですが・・・
非常に厄介な雑草です。
我が国ではあまり問題視されていませんが、英国では敵視されるレベルです。
不動産の売買においては、特に神経を尖らせるようです。
なんと、イタドリが生育していないことを売主が確約する条項を売買契約書に入れるほど。
英国では “Japanese knotweed” と呼ばれます。
これを英国に移入したシーボルトは恨まれていることでしょう。
なにせ、根絶がほぼ困難といわれるほどの繁殖力ですから。
最後は、川沿いや湿地にはびこるミゾソバ Polygonum thunbergii です。
イタドリ同様にタデ科の植物です。
溝に生えるソバという和名です。ソバもタデ科です。
タデ科の雑草は蔓延る種類が多いです。
スイバや園芸品種の逸出で広がったヒメツルソバなど。
ミゾソバの花は金平糖のような形をしており、かわいらしいのです。
茎には細かいトゲがありますが、つかめないほど鋭くはありません。
よく似た種類としては、ママコノシリヌグイとウナギツカミがあります。
いずれも珍奇な和名です。
これから秋まで長く花をつけます。
蔓延る雑草ですが、庭で繁殖することはないと思います。
湿潤な土地を好みますので。
今日の3種の中で唯一無害といえるかもしれません。