電話に出ると、名乗らずに用件を話し始める人がいます。
たまに、ではありますが。
司法書士か補助者を私の事務所で募集していないか?
こういう件だが(かなり説明が長い)、引き受けてもらえないか?
この種のお話はすべてお断りしています。
自分が何者であるかすら名乗らないというのはマナーとしてあり得ません。
そういう人からの求めに応じても、将来のトラブルを予想してしまうのです。
基本的な礼儀をわきまえない人を信頼するのは難しいのです。
緊張して電話をかけた結果、名乗らずに用件をまくしたててしまった。
そういう事情がある可能性は考えられます。
けれども、そのタイプの人はやはりトラブルを招く可能性があると思うのです。
雇用を求める件については、端から断る話ではあります。
私の事務所では人を雇う予定はないからです。
でも、印象がよければ、私なりに紹介はできるのです。
名乗らないような人をどこかの事務所に紹介するのはリスクが大きいでしょう。
仕事の依頼にしても、名乗らない人との契約を即決するような不用心さは持ち合わせません。
また、名乗らない人から持ち掛けられる仕事の内容には似た特徴があるのです。
これは永年にわたり損害賠償実務に携わった結果として得た勘が働く点でもあります。
ちなみに、私は電話で相談を受けたケースはすべてメモを残しています。
いつ、電話番号が何番の誰からどういう相談を受け、どう回答したか。
依頼を受けた各種の事件と同じように経緯を記録しておく。
これは、対人交渉をともなう仕事の基本なので。
そして、このメモが意外な形で役立ったりするのです。
その役立て方は、ちょっと秘密にしておきたいと思います。
★ 私が残している電話相談メモのファイル
役立て方は、残念ながら「悪用」ではありません。
私自身の対応結果の検証が次の電話相談に役立つのです。