晩秋から冬になっても葉が落ちない。
コナラ Quercus serrata はそういう樹です。
強風が吹いてもそう簡単には葉を落としません。
それでもいずれは丸裸に。
落ちた葉は非常によい腐葉土になってくれます。
九重や阿蘇あたりのフカフカの土はコナラ属の樹の葉が「主成分」でしょう。
あのあたりにはカシワ Quercus dentata の樹がみられます。
カシワもなかなか葉を落としません。
北部九州ではカシワをあまりみかけません。
南九州でもこれは同じですが、面白いことに薩摩半島の海岸に数本のカシワがあるのです。
なぜここにカシワ?と思ったことをよく覚えています。
結局、理由はよくわからないままでした。
けれども樹木をみて、その森林の成り立ちなどを考えるのはなかなか面白いのです。
コナラやカシワ、あるいは同属のクヌギ Quercus acutissima あたりは二次林が多いでしょう。
かつては薪炭林として人の生活を支えました。
今は、主にシイタケの榾木として利用されています。
人手が入り、更新もされます。
写真のコナラは自宅兼事務所の隣にある公園に植栽したもの。
いずれ大きく成長して木陰を作ってくれるはずです。
木陰を作ってもらうための利用ーこういう使い方もいいと思うのです。