司法書士は登記申請においては「代理人」です。
が、その他の仕事では様々です。
債務整理で貸金・カード会社と交渉する場合は代理人。
破産を地裁に申し立てる際は、書類作成受託者。
地裁における代理権がないためです。
家庭裁判所に対する法定後見開始の審判を求める申立も同様。
ただ、破産や法定後見についてはかなり代理人的な仕事になっています。
これは、私が違法行為に手を染めているということではありません。
裁判所側がそういう接し方をしてくるのです。
ほかにも示談の依頼を受ければ代理人*です。
この種の代理人をすることが、私はわりと多いのです。
多くの司法書士が忌避する傾向があるからでしょうか。
たとえば、被後見人Aさんの法定後見人をしているBさんからの依頼もあります。
BさんはAさんの代理人なので、私はAさんの復代理人ということになります。
こういうケースについて批判的な意見を耳にしました。若い士業の方の意見だったと思います。
Bさんが私に対応を依頼するようでは、後見人としての職責を果たしていないのではないか。
プロとして仕事をするのであれば、いちいち私に頼るのはどうなのか?
こういう内容でした。
この意見は正しいのでしょうか?
なるほど、たしかに私に依頼することで費用がかかり、それはAさんが払います。
Bさんがやれば余分な費用はかかりません。
Bさんには代理権がある以上、その権限を十分に駆使してAさんの敵と戦えばよい。
これは正論のようにみえますが、大間違いです。
Bさんが専門とする分野であれば兎に角、そうでなければプロに依頼する。
実に合理的でしょう。
しかも、自分でやればうまくいかず、そのリスクはAさんが負う。
私にやらせれば、うまくいく可能性が高く、Aさんに類が及ばないだろう。
面倒なことはそれを業とする人に頼む。
当たり前すぎる話なのです。
法務省は当事者本人が登記を申請できる仕組みを作っています。
裁判所も同様で、民事では本人による訴訟を予定しています。
ですが、それらはマニアックな世界。
プロが必要になるような複雑で理解が難しい分野でもあるのです。
だから司法書士みたいな仕事が成り立っているのです。
そして、司法書士はそこそこの報酬を頂戴できる。
面倒でわけがわかりそうにないことは、おカネを払ってプロに任せる。
これを否定しているようでは、プロとしてどうなのかな?
と思ってしまいました。
私は聞こえないようにいいました。
「おぬし、若いのう」
★ 今でも「キングコング」の女優といわれるジェシカ・ラング
彼女の本領は「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のコーラ役など。
アカデミー賞で主演・助演とも受賞の大女優です。
彼女が主演した1995年の映画に「代理人」があります。