「スカシダワラ」は相撲の決まり手ではありません。
蛾の繭です。
ヤママユガ科のクスサン Caligula japonica の繭なのです。
これもまた「天蚕糸」の原料となっていました。
今は利用されていないようです。
拾った場所は、糸島市内の六所神社の境内。
その日に吹き荒れていた強風で枝が折れて落ちてしまったのでしょう。
こういう「事故」でお亡くなりになる蛹も少なくないと思われます。
蛹までたどりついたのはエリートです。
羽化して子孫を残す最後の大仕事をする役割です。
しかし、その直前で「事故死」ということがあるわけです。
それにしてもクスサンの蛹が今も残っているとは・・・
秋に羽化する蛾なので、羽化殻のはずです。
でも拾った繭は重みがあります。
間違いなく生きた蛹でした。
羽化が遅れてしまったのでしょう。
越冬できるのかどうかはよくわかりません。
でも、少なくとも拾った蛹は生きているようです。
しばらくは玄関に「保護」し、「調度品」代わりにします。
無事に羽化できることを願いつつ。