サイトに登録しませんか?
司法書士が不動産登記事件1件の紹介を受け,それに対して紹介料を支払う。
まともな司法書士ならこれがアウトだということを知っています。
では,ネットで事件依頼者を募り,その紹介を受ける対価として紹介料を支払うことは?
この種の営業電話が時々かかってきます。
上記の電話では
「司法書士が相談サイトへの登録として登録料を支払うものであり,サイトに相談者から連絡があった場合に,
登録している司法書士に紹介するものである。その紹介については紹介料をいただきません」
との説明がなされます。
これは一見すると問題はなさそうです。
しかし,私はすべてお断りしています。
先行してバックマージンを渡しているともみることができる以上,かかわるべきではないという考えです。
そして,営業電話の話しぶりが何やら怪しげというか,妙にハイテンションだったり,
「当社はぁ,グーグル社のぉ,ビジネスパートナー企業でございましてぇ」
というような明らかに馬●っぽい喋りだったり,信用できる雰囲気ではないのです。
というわけで,すべてお断りしております。
紹介料を払います
では,次のようなお話にはどう対応したらいいでしょうか?
上記の写真のように私たち司法書士に不動産売買等の案件を紹介にかんし,
制約の暁には会社の利益の25%を払ってくれるというのです。
これはおいしいですね!チャンスですね!やってみたいですね!
とは思いません。
10%程度ならまだしも25%も払うというのは尋常ではないし,結局のところは我々にたいし,
紹介料を撒き餌にして最終的には登記の仕事をくれるというもののように見受けられます。
仕事欲しさに我々司法書士が血眼になって物件探しをする―そういう絵図を描いているように感じます。
随分とバカにされたものだなぁ~と笑ってしまいました。
「司法書士様」で始まる文章の敬語はおかしなものだし,
「コロナウイルスの影響にて一般のお客様にお会いする機会が減」ったから
取引対象の不動産を紹介して欲しいという話なのに,
「御社の通常業務の中で,相続案件であったり~中略~是非ともお力にならせて頂けないでしょうか」というように,
我々の仕事の力になりますという話にすり替わっているのです。
そして,情報提供だけで5千円,成約すれば利益の25%をくれてやるよ,と書いてありました。
例として挙げられた計算式は以下のとおり(一言一句変えずに転載します)。
ーー
例) 一戸建て(土地・建物)3000万の売買仲介の場合:
3000万×(3%+6万)=90万6千円(弊社利益)
⇒90万6千円の25%
⇒22万6500円を謝礼としてお支払い
ーー
まず,3%と6万(円)という単位の異なるものを合算するのは変ですね。
3000万円に6万円を乗じた場合はとんでもない金額になります。
カッコをつけたばかりに凄まじい算式ができてしまっています。
正解は3000万円×3%+6万円=96万円です。
その25%は24万円ですが,1万3500円はどうなったのでしょう?
これでは信用できません。開いた口が塞がらないレベルです。
「司法書士様」と書きながら「御社」です。雑だな~とこの点でも笑いました。
封筒の宛名もよくみると名前が先で住所が後になっています。
どこかで見たことがある・・・司法書士会の検索結果を拡大せずに小さな文字のまま貼り付けているものでした。
というわけで,カネで釣ろうとする点もさることながら,内容が雑すぎてお話になりません。
たしかに我々司法書士は兼業を禁止されていませんので,不動産営業をやってもいいでしょうし,仲介業をやることも許されるでしょう。
しかし,こういったカネで構築した関係は,結局のところ払う側が受け取る側を支配していきます。
そうすると,我々に倫理を踏み越えることが求められる場合も起きかねません。そのとき毅然として断ることができるか?
というわけで,こういうおつきあいもお断りです。
ここまで書いて思い出したのですが,この会社からは以前にも手紙が届いています。
そのときは宛名に「様」がついておらず呼び捨てでした(笑)。
送りつけてきたのは福岡市の・・・「書士の情け」で公開するのはやめておきます。