ひところはユーミンの曲をよく聴いていました。
コンサートには3回行っています。
最初のコンサートは学生時代でした。20歳の11月か12月だったように思います。
楽しさと苦さが半々くらいの記憶になっています。
当時はインターネット予約などあり得ません。1985年のことですから。
チケット売り場には何日も前から徹夜の人で長蛇の列。
何人かの友人と交代で並んで最前列のチケットを手に入れました。
友と楽しく過ごした時間でしたが,その中に苦い苦い思い出があります。
その日を境に2人の友人との間に距離を置こうとしました。
ところが,そのうちの1人は徐々に距離を詰めてくる感じでした。
私の決意など脆くいい加減なもので,ちょっといい感じの女性が寄ってくると,あっさり距離を置くことをやめました。
それでもやはり一定の距離を保つようにしました。
そういうことも闘病過程でじっくり思い起こし,その時々の自分の心の裡を自ら覗き込んでみました。
今にして思うのは,当時はプライドの問題だと捉えていたのですが,
実は,その女性を傷つけることを恐れていたように思います。
♪ もしも新しいこのめぐり逢いが
心の傷あともうひとつ増やす
ことになろうとも(1) ♪
とは思えなかった。
当時の私は女性がそばにいないとたまらなく寂しいのに,女性には冷ややかで身勝手な人間です。自覚がありました。
そういう自分はその女性に似つかわしくない。そういう思いがあったようです。
平気で女性に言い寄る厚かましさがあるのに,自分が好感を抱いた女性に対しては「ためらい」を感じています。
それは大事に想う女性の変心により自分が傷つくことへの恐れだったようです。結局は自分を守ろうとしたのでしょう。
今の私は女性の友人が最も信頼できる親友。おかげで妻とも結婚できました。
この話は前に述べたとおりです。
出逢いのタイミングというのは難しいものだと思います。
♪出逢いはスローモーション(2)♪なのか「ラブ・ストーリーは突然に」(3)なのか?
★(1)「ためらい」の歌詞です。アルバム「時のないホテル」に収録されています。
私は,ユーミンのアルバムではこれが一番好きです。
(2)中森明菜さんの曲「スローモーション」から。
(3)小田和正さんの曲で大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌です。