ヤクシマルリシジミ Acytolepis puspa という蝶がいます。
写真は成虫の♂です。
かつては本土では九州南部・高知・徳島・大阪南部・三重・和歌山の沿岸部などでしかみられない種類でした。
私はこの蝶の生態と分布動向をかなり追求していて,新食樹の発見や交尾写真撮影など,
私の蝶の世界での「業績」の一部を占めています。
佐賀県に侵入し,発生しているのを発見したり,私にとっては思い入れのある蝶です。
しかし,蝶の中では特筆すべき広範な食性を有するせいか害虫になりつつあるようです。
この蝶が好むのはバラです。
野生のノイバラだけでなく庭木のバラを食害します。特に蕾や花が大好きです。
早春から晩秋まで悩まされるのです。
卵と幼虫の写真は次のとおりです。
我が家の“Bridge of sighs”を食害していました。
バラもまさにsighsをついていることでしょう。
バラを扱った園芸用の本ではいまだ「害虫」として本種は登場していません。
しかし,最近の分布の拡大をみるに,近い将来はバラの代表的な害虫として扱われるでしょう。
さて,我が家の庭の住人として認められているミカドアゲハ Graphium doson (今月12日の記事で紹介しました)。
ご覧の通り順調に成長しています。
これから蛹化するまでの間に,ハチが狩りの獲物にしてしまうかもしれませんが,見守りたいと思います。