国際連合の女性差別撤廃委員会が我が国に勧告したとの報道がありました。
1 選択的夫婦別姓制度を導入せよ
2 皇室典範を改正し、男系男子のみの皇位継承を改めよ
いやはや、もう呆れてものをいう気力もわかないレベルです。
まず、選択的夫婦別姓制度を導入せよという理由がひどい。
女性が男性の姓を名乗ることがほとんどであるから女性差別を助長している。
本当にそうでしょうか?
当事者の自由な意思で女性の姓を選ぶ。
これが我が国では可能です。
では、それを強制できますか?
国民の意思の自由を縛っていいのでしょうか?
我が国では、95%の夫婦が男性の姓を選んでいます。
女性の姓を選択してはならないようなことをいう人はみかけません。
けれども、慣習のように男性の姓を選んでいる。
慣習は一種の社会的文化です。
我が国では、タリバン政権のように女性の行動を制限しているわけではありません。
事実上、女性の姓を選べないようにしているようなこともありません。
すべては国民の自由な選択に委ねられています。
国民の自由に任せることは、いけないことでしょうか?
選択的夫婦別姓制度に賛成する方からのメールに
「幣家の夫」
という表現がありました。
「家」なのです。
「私の夫」とは書いていないのです。
選択的夫婦別姓に賛成でも、家制度の考えがまだ染みついている。
私はそう感じました。
我が国の慣習を外から批判するのは構いません。
そこまでは許しましょう。
けれど、「差別を助長している」とは何事でしょう?
国民全員で差別大会をやっていることになってしまいます。
国民がその自由な意思でやっていることを否定されてはたまりません。
これを今後どうするかは、ひとえに我が国の国民次第。
「勧告」など失礼極まりない話です。
そして、皇室典範にまで触れるというのは、あまりに失敬です。
ならば、初の女性大統領が誕生するかもしれない米国にもいえばよろしい。
「米国は自由と民主主義の国だといいながら、男性偏重で大統領に女性を選ばない。
この際だから、女性大統領を選んではどうか?」
と。
米国の国民はこぞって反発するでしょう。
「我が国のことは我が国で決める。ごちゃごちゃいうな!」
国連の人権関連の委員会にはうさんくささを感じます。
慰安婦問題にしても、十分な検証をせずに我が国を「悪」と決めつけました。
その国連人権委員会に「ネタ」を持ち込んだのが日本人というのは悪い冗談レベルの話です。
某政党の党首の事実婚のお相手(男性)がやったのでした。
このご夫婦も夫婦別姓を主張しています。
けれども、いずれかが亡くなる際には入籍するそうです。
相続権を確保するためだと説明していました。
現行法に絶対反対なら、最後までそれを貫けばいいのに。
その「根性」はないようで。
話を戻して、国連勧告についてです。
我が国の政府は堂々と反論するべきです。
我が国では男女いずれの姓も選択でき、これは欧州各国よりも先進的だった、と。
そして、夫婦別姓が可能な英国で90%以上の夫婦が男性の姓を選んでいることを
「英国民は女性差別をやめよ」
と勧告しない理由を訊ねるべきでしょう。
石破内閣がこう反論すれば、ちょっとは見直しますが、まあやらんでしょうな。
「じゃあごちゃごちゃ言われないために選択的夫婦別姓に」
こういう主張もあり得るでしょう。
でも、調査結果では別姓を選ぶ人は非常に少ないという結果になっています。
おそらく英国同様の状況になるでしょう。
そうであるのに、制度の根幹をいじりますか?
まずは、少数のニーズを満たす手当をする。
これが普通のことなのです。
そのうち国連のどこかの委員会からまた勧告を受けるでしょう。
同性婚を認めよ、と。
こちらの方が切実な問題を孕んでいます。
法律上の夫婦にならない限りは相続の話にならないので。
こちらに関して勧告を受けたら、ちょっと考えてもいいのかもしれません。