スズメと桜
会社員の時代です。
その日は、翌年の新卒の面接をやっていました。
九州の国公私立大学の学生さんが懸命にアピールします。
その自己アピールの大半は「アルバイトを頑張りました」。
こればかり聞かされて食傷気味でした。
ちょっと時間が空いたので外を眺めるとソメイヨシノにスズメがいます。
何をしているのか?
花をちぎって捨てているのです。
よく観察すると、花の特定の箇所をくわえます。
どうやら蜜を味わっているようなのです。
メジロやヒヨドリのように花に突っ込めるような細い嘴ではないスズメ。
鳥も種類によって蜜の味わい方が異なることに気づきました。
スズメ式では受粉の手助けにはなりません。
サクラの樹としてはヒヨドリやメジロを歓迎するのでしょう。
スズメと香草
スズメの巣作りを観察していて気づいたのは・・・
タイム(イブキジャコウソウ)やヨモギなど香りの強い植物をちぎって持ち去ります。
巣の材料にしているようでした。
試しに、私がいくつかの植物をちぎって置いておきました。
建築資材の提供を兼ねた実験です。
必ず香りの強いものを一番に持ち去ります。
防虫に使っているのだろうと思いました。
この考えは正しかったようです。
スズメは身近な鳥ですが、実は、その生態はあまり解明されていません。
スズメを眺めているだけでも、かなり面白い「現場」に遭遇できます。