「あなたの街の法律家」
こういうキャッチフレーズの看板をみかけることがあります。
行政書士の先生方がよく使っているように感じます。
試験が法務省の管轄ではなく、裁判所における代理権がなく、
裁判書類作成や法務局提出書類作成をできないのに「法律家」?
驚いたのは、「日本行政書士会連合会」のホームページにも同じ宣伝があるのです。
ポスターまで存在していました。
どうしても「法律家」になりたいようですが、やめておいた方がいいと思います。
上記のような業務をすることができない以上、法律家とは名乗り難いでしょう。
司法書士の場合も「街の法律家」と名乗る人が多いのですが、私はどうかな?と思います。
たしかに裁判所における代理権も限定的ながらあります。
裁判書類作成も法務局提出書類の作成もその業務ではあります。
しかし、法解釈学について深い学識を求められるような試験を受けているわけではありません。
受けるのは、知っているかどうかを問うような問題しか出ない試験です。
そうすると「法律家」を名乗るのは烏滸がましいと思うのです。
「こういう条文があります」と答えるだけでは法律相談にはなりません。
法律を使いこなせてこその法律家です。
勿論,行政書士にも司法書士にも条文を縦横無尽に使いこなせる人はいるでしょう。
けれども、試験制度ではそこまで求められていない。
つまり、社会からそういう能力までは期待されていないのです。
そうだとすれば、行政書士は「官公庁提出書類作成代行業」と名乗り、
司法書士は「法律関係書類作成代行業」と名乗った方が分相応でしょう。
「俺は法律家だ!」「わたしは法律家なのよ!」と力まなくてもいいのではないかな?
私は常々そう思っています。
ある大学の先生がおっしゃった面白い感想があります。
「弁護士と行政書士は肉食系の人が多く、司法書士は草食系の印象」
なぜ、そうなってしまうのか?
考えてみると想像できるのですが、ここには書かないことにします。