数学を苦手とする人がいます。
それも少なくない数の人が数学嫌いであるように聞きます。
しかし、どの分野に進むにせよ数学の学力は必須だと今さらながらに感じます。
私は、高校1年生のときに数学Ⅰで躓きました。
その躓きからの回復に2年を要しました。
2年で数学を得点源に変えたので、大学入試には間に合いました。
九州大学法学部の二次試験では数学が課されました。
正直に書くと、問題はそれほど難しくありませんでした。
大問が4つあったはずで、そのうち3問は完全な正解を導き出しています。
一方で、同志社大学法学部の入試では数学は選択科目でしたから悩みました。
私立文系受験生には数学が弱点の人が多い。
だから数学で高得点を狙えば、合格できるかもしれない。
しかし、数学の場合は、つまらない計算ミスなどで失敗をしかねません。
世界史を選べば、そういうリスクはありません。
念願の「実家からの逃走」を実現するには同志社合格は絶対条件です。
結果的には記憶を吐き出すことで済む世界史を受験科目に選びました。
大学で法律を学んでみると、数学が得意か否かで理解に差がつくように感じました。
法律は論理の積み重ねであり、数学的な思考がマッチするのです。
一般教養科目として経済学を聴講しましたが、経済学の分野でも数学力は必須だと感じました。
早稲田大学政治経済学部が入試において数学を必須とした最近の判断は正しいと思います。
高校の後輩には二次試験に数学を課さない大学を選んだという人がいました。
広島大学や岡山大学、横浜国立大学などを検討した結果、広島大学を受験して合格しています。
法学部生となった彼は、法律の勉強にまったく興味をもてなかったといいます。
堂々と「全然勉強しなかった」と言い切りました(でも、卒業できるのです)。
思うに、数学的思考が苦手ゆえに法律を学ぶ面白さがわからなかったのではないか。
高校時代に数学を嫌いになる人が多い現実を考えると、入試本位の授業ではなく、
教養としての数学を徹底して学ぶような改革が必要かもしれない。
最近になってそう思うようになりました。
ちなみに、大学の教養科目としても私は数学を学んでいます。
先生が延々と難しい数式を板書し、それについてボソボソと説明するだけの講義でした。
毎回同じパターンで、受講する学生も少ない講義でした。
盛り上がりも感動もない淡々とした内容。
でも、そのボソボソで数式が生き生きと輝くのです。
毎回ボソボソを聴きに通ってよかったと思っています。
★ 映画「博士の愛した数式」の一場面
寺尾聡さんと深津絵里さんの共演でした。