令和3年度の司法書士試験合格者の中には就職活動中の方がいらっしゃるかもしれません。
福岡県司法書士会では毎年「就職先選びは慎重に」ということを呼びかけています。
つまり,これは慎重に選ばなければ失敗する例が存在することを示唆しているのです。
1 ブラックな労働環境
2 自身の性格と合わない雇い主
3 本人が司法書士の仕事そのものに不向き
などミスマッチの原因はいくつか挙げられます。
仄聞するところでは,パワハラ的言動が多い事務所も存在するようです。
そういう事務所では人の入れ替わりが激しいのが常です。
この「人の入れ替わりの頻繁さ」は就職先を選ぶうえで,一つの判断基準になります。
入れ替わりがない事務所=居心地がよい証拠という考え方が成り立ちます。
入れ替わりが激しい場合はその逆であることが推定されるわけです。
次に,事務所のトップの性格を見きわめることも重要です。
テンションが高めで調子のいいことを口にする人がいます。
あるいはやたら「社会貢献」「奉仕」という言葉を使う人がいます。
要注意です。両方揃っていたら回避した方がいいかもしれません。
なぜなら
①常にテンションが高いはずもなく,就職希望者によく思われようとしている可能性が高いこと
②調子のいい発言を幾つか並べてみると矛盾がみつかるケースが多いこと
③「社会貢献」「奉仕」は理想としては正しくても現実には利益を上げないと人を雇えないこと
が理由です。
落ち着いた口調でゆっくり話すような人は信頼できる印象です。慎重派でしょう。
おカネを儲けることを悪事のように言わない人は嘘を言わないと思われます。リアリストです。
慎重派は無理な仕事の仕方をしません。その結果としてリスクを負うことは少なくなります。
正確さと丁寧さを合わせ持つ人であることも多いでしょう。
調子のいいことをペラペラ喋るタイプの人は仕事のやり方が雑で軽い印象が強いです。
社会貢献や奉仕は理想として掲げつつも,それに縛られていては事務所経営は成り立ちません。
リアリストである人の方が信頼できます。
これから受講する研修でもいろいろな先生方に出会うはずです。
その機会を利用して見きわめる目を養ってください。
笑いをとるのがうまくても,締めるところを心得た話し方をする先生は◎のことが多いでしょう。
たまに高圧的な口調や態度の人がいるかもしれません。どうみるかは受講する人それぞれでしょう。
★ 「仁義なき戦い」で坂井鉄也役を演じる松方弘樹さん
この時の松方さんは31歳にしてこの貫禄
「のう昌三,ワシらどこで道,間違えたんかのう?」
このセリフを使わずに済むような就職を。