猫がちょっと具合が悪くなると、私の心は乱れます。
もう何も手につかないような状況に陥ります。
具合が悪いのであれば、代ってあげたい。
無理なことはわかっていても、いつもそう思います。
だいたいの場合は、病院で薬の処方を受けることで済みます。
恩人猫の場合は胃炎のような症状が、黒猫ノワールは膀胱炎が時々起きます。
年に1回あるかないかくらいではありますが、人と同じでいつも健康とはいきません。
病院に連れて行こうとすると抵抗されます。
あるいは逃げられます。
気配で察知するのです。
最終的には診察台でおとなしく診療を受けるのですが、それまではストレスがかかるはず。
申し訳ない気持ちになります。
帰宅するとリラックスし、徐々に調子がよくなります。
私も安心します。
実は、獣医師に「胃炎ですね」といわれた瞬間に私は安心しているのです。
獣医師の言葉は魔法のことばです。
獣医師が「大丈夫」と言ってくれるだけで心が落ち着きます。
では、法律関係の相談はどうでしょう?
私が相談を受けて対応策をいくつか示すと、相談者の表情に変化が生じます。
最初は深刻な表情だったのが、笑顔で相談時間を終える。
少しは私にも魔法を使う力があるのかもしれない・・・と思ったりします。
そして、専門職の発する言葉というものの重みを感じます。
同時にその言葉にかんする責任はもっと重いことを自覚してしまうのです。
なかなかにハードな仕事であります。胃炎になりそうな。
★ 「白い巨塔」で鵜飼医学部長を演じる小沢栄太郎さん
「医師の言葉は、一種の信仰」と里見助教授(山本學さん)を諭し、
「すぐに適当な病名をつけてやって安心させるべき」と指導します。
里見助教授は「検査を重ねて正確な診断をしたい」旨を生真面目に答えますが・・・