最近の法律書の装丁はライトな感じになりました。
明るい色調。中にはポップなデザインのものもちらほら。
それにひきかえ、昔の法律書は重々しさがありました。
上の写真は、大谷實教授の「刑法講義各論」(成文堂)の初版です。
函入りが普通でした。背表紙の金文字にも拡張高さが感じられます。
つづいて、布貼装丁の本です。
四宮和夫教授の「民法総則」です。今も能見善久教授が改訂し続けています。
弘文堂の法律学双書シリーズの1冊で、民訴法では兼子一教授の著書と三ケ月章教授の著書も。
今でもこのシリーズの菅野和夫教授の「労働法」は愛用者が多いことで知られています。
装丁は紙のカバーに変わってしまいましたが、中身の素晴らしさは変わらないのです。当然ですが。
青林書院新社から出た佐藤幸治教授の「憲法」。
今は成文堂の「日本国憲法論」として出版されている本です。
これらは、すべて昭和58年の大学入学直後に購入しています。
直接講義を受けることになった大谷教授にはサインを入れていただきました。
今は、函入りやクロス装丁の本はなかなかお目にかかれません。
文学書も同様です。
最後に、数年前に手に入れた本を。
橋本公宣教授の「日本国憲法」(有斐閣)です。
古書を手に入れることができました。
パラフィン紙に包まれており、新本として店頭に並んだときのままです。
かつての法律書は、函入りでパラフィン紙に包んであることが普通でした。
たまたまサイン入りでした。
最近の法律書のデザインは、ひとえに読み手を意識したものだと思われます。
つまり、学生向けのものが大量に出版されるようになったのです。
かつては、研究者向けのような本を学生が懸命に読んでいました。
当然ですが、挫折する人が大多数・・・
今の学生は読みやすい教科書に恵まれて幸せだと思います。
だから、ヘンなアンチョコ本など読まなくて済むはずなのですが。