11月28日は菅原文太さんの命日です。
亡くなったのは7年前。
健さんが10日に亡くなり,直後に文太さんが亡くなって衝撃を受けました。
文太さんは主役だけでなく脇役としての仕事も多数こなしています。
大スターと呼ばれるようになったのは40歳。遅咲きです。
そのきっかけとなったのが不朽の名作「仁義なき戦い」でした。
この作品は東映のドル箱だった任侠路線に引導を渡し,新たな実録路線が始まります。
文太さんはその先頭に立ったわけです。
その後の文太さんはシリーズ化された「仁義なき戦い」すべてに出演。
そして,「柳の下にドジョウは2匹以上いる」というスタンスの東映が作るやくざ映画に主演します。
「新仁義なき戦い」シリーズ3作,「山口組外伝九州侵攻作戦」。
特に「九州侵攻作戦」の文太さんはダンディでカッコよく任侠映画の香気に溢れる作品です。
しかし,文太さんもまた健さん同様にやくざ映画に飽きてしまったようです。
その後も「日本の首領」シリーズや「制覇」「修羅の群れ」などに出演していますが,
助演であり,いまひとつ文太さんらしい暴れん坊ぶりがみられません。
「日本の仁義」でも薬物中毒でダメになっていく組長役で,文太さんは精彩を欠いたように感じます。
文太さんが別の魅力を発揮したのは喜劇である「トラック野郎」シリーズです。
カッコいい文太さんがずっこけを演じ,我々は近寄り難いスターを身近に感じたように思います。
最後に文太さんが輝いたのは「わたしのグランパ」でした。
皮肉にも文太さんが避けていたやくざ役です。
文太さんも健さん同様にやくざを演じたからこそヒーローとして眩い存在だったように感じます。
今日のこの日に何をみるか?
文太さんが大スターとなる直前の「現代やくざ人斬り与太」あたりがいいかな・・・
★ 写真は上から「仁義なき戦い」のラストシーン,「山口組外伝九州侵攻作戦」のポスター,
トラック野郎シリーズの主役星桃次郎を演じる文太さん,そして「現代やくざ人斬り与太」の
文太さんと渚まゆみさん。渚まゆみさんは「九州侵攻作戦」でも好演が光ります。