福岡県糸島市 司法書士 ブログ

戸籍の話(その1)

戸籍を読む

司法書士業務の中では戸籍に接する機会が非常に多くなります。

これから研修を受講される方の中には,ご自身の戸籍をみたことがない

という方もいらっしゃるかもしれません。

 

戸籍を取得して読んでいくと,そこには法的なファミリーヒストリーが

展開され,その背景を想像することができます。そこから種々の事情を

察し,依頼者の心情を忖度して対応することが必要になります。

 

戸籍を読むには数をこなし,慣れなければなりません。ここはひとつの

ハードルかもしれません。

 

司法書士業務を始めて間もない私がこういうことを言えるのは,実は,

私は仕事で戸籍を目にする機会が多く,戸籍を読むことには抵抗がない

ばかりか,なじみがあるからです。

 

ホームページにも書いていますが,私は損保会社に在籍し,その間は,

保険事故の対応・処理にあたってまいりました。被害者あるいは被保険

者が死亡すれば,戸籍をチェックし,誰が請求権を持っているかを確定

する作業が必要になります。そういう経験があるため,戸籍を読むこと

にはある程度慣れています。

 

たとえば・・・

たとえば,保険事故に関していえば,こういうケースが起こり得ます。

被保険者Bさんが不慮の事故で亡くなり,保険金請求権を持っているのは

配偶者Aさん(夫)とAさんとの間に生まれた子供2人と考えられる場合でも

亡くなったBさんの戸籍を出生からすべて取得すると,Bさんに非嫡出子X

があることが判明したりします。Xさんの存在をAさんも2人の子供さんも知

らない。こういうことは決して少なくありません。

かくいう私も最近になって父が母と結婚する前に他の女性と短い婚姻生活

を持っていた事実を知りました。父は生前そういう話をしてくれなかったし,

母からも聞いたことがありません。どういう事情で別れたのか?いろいろ想

像してはみるのですが,もはや事実を確定しようがありません。

戸籍をみたことがある人は少ない

会社員時代から戸籍になじんできた私でもこういう感じです。多くの人は

自分の家族の戸籍をじっくりみたことがないというのが実情でしょう。

そういう前提で我々司法書士は戸籍を読むことに習熟し,依頼人に適切な

説明ができるようにしなければならないと思う次第です。

 

 

 

 

 

 

 

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