私は小中学生の頃には相撲をよくとりました。
大相撲の中継をみて、取り口を研究し、自分の相撲の型のようなものができました。
左四つの正統派の相撲が私の取り口です。
つり、寄り、上手投げを得意とし、時に足技や内無双のような技も使いました。
おかげで結構強かったのです。
当時の力士の多くは左四つ。
押し相撲の力士はさほど多くありませんでした。
それが、いつの頃からか押し相撲の力士が急増しました。
突き押しの相撲が非常に多くなっています。
そして、右四つの力士も多くなりました。
私にとっては良い年だった1978年の初場所の番付では
横 綱 東が輪島 西が北の湖・・・いずれも左四つ
大 関 東が若三杉 西が貴ノ花・・・いずれも左四つ
張出大関 東が三重ノ海 西が旭國・・・いずれも左四つ
関 脇 東が荒勢・・・右四つ 西が琴風・・・左四つ
小 結 東が大潮・・・左四つ 西が玉ノ富士・・・右四つ
というように三役以上の力士10名中8名が左四つです。
★ 横綱 輪島関 学生相撲出身者で唯一の横綱
左下手から攻めるという変則相撲でしたが、そこは天才。
北の湖関の上手投げを打ち返す破壊力がありました。
では、今年の秋場所はどうか?
横 綱 東は照ノ富士・・・右四つ●
大 関 東が貴景勝・・・押し相撲〇 西が正代・・・右四つ●
張出大関 御嶽海・・・押し相撲●
関 脇 東が若隆景・・・右四つ〇 西が豊昇龍・・・右四つ〇
張出関脇 大栄翔・・・押し相撲●
小 結 東が阿炎・・・突き押しが得意● 西が逸ノ城・・・右四つ●
張出小結 霧馬山・・・左四つ〇
明らかでしょう?
押し相撲が増え、右四つ力士ばかりです。
平均体重も大幅に増えました。
それに比例して増えているのが怪我による休場。
太っても関節までは大きくなりません。体重を支える下半身の故障が顕著です。
ひところは大きな力士がドーンとぶつかって、ドドーッと押すだけの相撲が目立ちました。
大相撲中継で昭和の映像が流れた際に比較すると、以前の取り口の方がきびきび動いています。
最近の相撲はかなり変わってしまった印象です。取り口が単純化されたような。
でも、徐々にではありますが、筋肉質の力士も増えつつあります。
若隆景関や豊昇龍関、霧馬山関などはその代表でしょう。
翠富士関も小兵ながら筋肉質だし、琴恵光関もそのタイプです。
★ 琴恵光関 秋場所は残念ながら負け越しました。
秋場所で勝ち越した力士には〇を、負け越し(休場を含む)の力士に●をつけてみました。
上位陣では大型力士と押し相撲の力士が負け越しているようです。
押し相撲はリズムに乗ると連勝、狂うと連敗という宿命を背負っています。
大関までは昇進できても横綱を務める安定感はありません。
というわけで、私は筋肉質の四つ相撲の力士に大いに期待しているのであります。
それにしても右四つの力士が急増したのはなぜでしょう?
政治の面で左派勢力が退潮傾向にあるのと軌を一にしているような・・・関係ないですね(笑)。